2023 Fiscal Year Research-status Report
育児と親の介護を担うダブルケアラーの抱える課題と支援体制の実態
Project/Area Number |
23K10386
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
杉山 希美 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (10527766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
表 志津子 金沢大学, 保健学系, 教授 (10320904)
岡本 理恵 金沢大学, 保健学系, 准教授 (50303285)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 育児 / 介護 / ダブルケア / 複数役割 / 実態調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国では、急速な少子高齢化に加え、女性の晩婚化や晩婚化の進行がみられる。このような社会背景から、育児と親の介護を同時に担う者(以下、ダブルケアラー)の増加が予測されている。ダブルケアラーの育児と介護の負担感は、「育児のみ」あるいは「介護のみ」を行う者と比較して男女とも高いことが報告されている。しかし、わが国のダブルケアラーの負担の実態は数量的に得られていないのが実情である。また、支援者がダブルケアラーを十分に把握できていない可能性や、地域での支援体制の構築ができていない可能性もある。以上より、本研究は、ダブルケアラーの負担感や関連要因を量的に捉えるとともに、現行の支援体制において地域包括支援センターがダブルケアラーをどのように把握し支援につなげているのかを明らかにすることを目的としている。 令和5年度は、質問票のベースとなる先行研究の結果をまとめた。質的研究の分析の結果、日本人女性ダブルケアラーは、【育児と介護の両方を自分の役割として受け入れる】、【母親の役割を果たせていない】、【子どもと祖父母に支えられる】、【介護の負担を誰にも相談できない】、【ケアだけではない生き方に気づく】経験をしていたことが明らかになった。 当初の計画では、令和5年度中に質問票原案を作成し、その内容を検討したうえでプレテストの実施を予定していたが、質問票の完成に至らなかった。令和6年度は、文献検討を行い、質問項目を精選したうえで、2つの質問票(ダブルケアラー用、支援者用)を作成予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の先行研究となる科研課題をまとめ、論文投稿する準備に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
質問票を作成後、倫理審査を受け、調査を実施予定である。
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Causes of Carryover |
本研究の先行研究となる科研課題をまとめ、論文投稿する準備に時間を要したため、本研究のスケジュールがやや遅れている。次年度は、調査実施に向けて、機器の購入や郵送料などに使用する予定である。
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