2023 Fiscal Year Research-status Report
超音波剪断波による筋メカニクスの生体イメージング評価法の開発と運動療法の基盤創出
Project/Area Number |
23K10404
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
谷口 圭吾 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (90381277)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 運動器理学療法 / 筋メカニクス / 医用画像評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,超音波による筋メカニクスの生体イメ-ジング評価法の開発と運動療法の基盤形成にむけて,剪断波イメージングで定量された骨格筋弾性と力学的な筋ストレスとの関係性を明らかにする実験をおこなった.対象はThiel 法固定献体8肢の大腿二頭筋長頭 (BF),半膜様筋 (SM),半腱様筋(ST)とし,筋を切離して材料試験機に固定した.静止長(L)における筋横断面積 (A)を,超音波画像診断装置を用いて近位部と遠位部で測定した.その後,静止長から8%まで毎分20 mmの速度で筋を伸長し,超音波せん断波エラストグラフィで弾性率を計測した.同時に得られる変位量 (ΔL)と引張荷重(P)から,歪み (%, ΔL/L)および応力 (kPa, P/A)を算出した.解析として弾性率と応力の関係について回帰式を求め,決定係数を標本ごとに算出した.また歪みの増大に伴う弾性変化を筋間・部位間で比較するために三元配置分散分析を行った.その結果,弾性率と応力の関係は8肢全てにおいて有意な回帰式が得られ(P < 0.01),全筋・部位の平均決定係数は0.98±0.02 (0.92 - 0.99)であった.また,弾性率において有意な二次の交互作用(筋×部位×歪み)を認め,事後検定の結果,歪み3%以降でBF・SMの弾性率はSTよりも高値を示し,さらにBFは歪み4%以降で近位部が,SMは歪み6.5%以降で遠位部が,当該筋内の他部位と比較して高値を示した (P < 0.01).剪断波イメージングで測定された筋弾性は応力を90%以上説明可能な変数であることが明らかとなった.また,同一歪み時にかかる応力はBF近位部およびSM遠位部で高くなる可能性が示された.これらの知見は筋弾性の定量に基づく力学的なストレスの画像評価方法の開発に繋がると考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
材料力学試験機と撮像部位に挿入の歪み応力センサを用いて,伸長操作に伴う筋内の弾性変化と応答する受動張力の関係性検証は今後の継続した検討が必要であるものの,剪断波イメージングにより記録された筋スティフネスと筋ストレスの関係性を検討する実験はほぼ予定通り遂行できている為.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,骨格筋を標的にカラーフロー画像法で筋内の剪断波を映像化・定量化することにより得られる筋弾性値と従来の音響放射圧法による筋組織弾性値との比較検証を予定している.本実験を遂行することで新規手法のカラードプラ画像による筋弾性評価の妥当性を検討し,その成果を学術大会および国内外の論文で公表する計画を立案している.
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Causes of Carryover |
次年度使用が生じた理由について,筋スティフネスと局所的な筋ストレスの関係性を検証するなかで,材料力学試験機と超音波撮像部位に挿入の歪み応力センサを用いて弾性と張力をリアルタイムに実測する実験が遂行できなく2024年度に実施予定である為.2023年度の研究経費は申請時に記載した使途に加えて,前年度の助成金残額を使用し,力学試験用の歪みセンサーの購入,研究協力謝金や学会発表・論文投稿時の費用に充てる予定である.
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Research Products
(6 results)