2023 Fiscal Year Research-status Report
ハンセン病末梢神経障害の診断と神経筋再生治療法の開発に関する研究
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23K10412
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
圓 純一郎 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30587879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 幸一 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (20206478)
三上 万理子 帝京大学, 医療技術学部, 研究員 (20840276)
後藤 正道 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80325779)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 末梢神経障害 / 神経筋再生治療 / ハンセン病神経障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハンセン病は、未だ世界で新規患者が年間20万人発生している「らい菌」が原因で起きる抗酸菌感染症である。WHO提唱の抗菌薬治療で感染症としてのハンセン病は制圧可能とされているが、後遺症に対する治療法は未解決な問題である。「らい菌」は皮膚マクロファージに感染することが知られているが、末梢神経のシュワン細胞にも感染するため末梢神経障害により運動機能障害を生じ、後遺症に繋がる。しかし、これまでのハンセン病対策は患者の早期発見と早期治療に主眼が置かれてきたため、後遺症対策は講じられてこなかった。そこで、本研究では神経障害に伴う後遺症への適切な治療提供を目指す。日本国内ではハンセン病の新規患者は数例の輸入例を除きほぼない。よって、本研究では未だ年間1000から2000例と多くの新規ハンセン病患者が発生するフィリピンと共同研究で、Culion Sanitarium & General Hospitalの医療センター長であるCunanan医師の協力を得て、末梢神経障害の診断法と廃用性筋萎縮の改善による治療法の開発を試みる。具体的には、1)携帯型エコー装置を用いた簡便な末梢神経および筋障害の評価方法の確立、2)総合電流刺激装置(Electric Muscle Stimulation: EMS)を用いたハンセン病末梢神経障害治療法の確立し、患者が真にハンセン病から解放されるための医療を提供することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は「ハンセン病末梢神経障害の診断と神経筋再生治療法の開発に関する研究」をフィリピンと共同研究で、Culion Sanitarium & General Hospitalの医療センター長であるCunanan医師においてハンセン病新規患者に対するEMS治療効果の測定を行う予定で研究を開始している。2023年3月にスイスのジュネーブにおけるWHO本部において「WHO Meeting on Skin NTDs」が開催された。その際に今後の研究についてUniversity of the PhilippinesのDr Belenと協議を行い、今後の治療研究について共同研究の打合せを行い、フィリピンでの共同研究の手続きについて準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は「ハンセン病末梢神経障害の診断と神経筋再生治療法の開発に関する研究」をフィリピンと共同研究で、Culion Sanitarium & General Hospitalの医療センター長であるCunanan医師においてハンセン病新規患者に対するEMS治療効果の測定を行う予定で研究を開始している。対象施設において治療前後における神経伝達速度の基礎的なデータ収集及び筋肥大効果の治療効果測定を行う。現在までにミャンマー連邦で基礎的なデータ収集を行っているが、渡航制限があり中断している共同研究をフィリピンに変更し倫理審査の準備を進めている。 また、2023年3月にスイスのジュネーブにおけるWHO本部において「WHO Meeting on Skin NTDs」が開催された。その際に今後の研究についてUniversity of the PhilippinesのDr Belenと協議を行い、今後の治療研究について共同研究の打合せを行った。今後は早急にPhilippinesのDr Belenと共同研究 を検討し、使用する機器の整備を早急に行い、研究体制を構築していく。また研究協力者を2024年度中に募り、治療効果測定を実施していく。
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Causes of Carryover |
2023年度はフィリピン国への渡航予定があったが、1度も渡航できず使用機器の消耗品などの執行が出来なかった。また円安が進んでいることから、渡航計画を詳細に立てる必要があった。 2024年度は海外渡航を計画している。また使用機器の準備も進んでおり、渡航する際に準備して実際のデータ収集を行っていく。
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