2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of post-treatment support tools for preventing readmission of patients with diabetic foot
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23K10415
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
林 久恵 愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 教授 (80444404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 健一 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 准教授 (10638480)
小池 孝康 岐阜保健大学短期大学部, その他部局等, 助教 (10720253) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 糖尿病足病変 / 再発予防 / 再入院 / 実態調査 / 移行期ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、糖尿病足病変患者の再入院の理由を明らかにするため、実態調査を行った。まず、糖尿病足病変に接点がある学会の協力を得て4,210名の理学療法士に調査協力依頼および設問を提示したURL(またはQRコード)を送信した。有効回答は571件(回収率13.6%)であり、回答者の約70%は2022年に糖尿病足病変が運動器リハ料に追加されたことを知っていたが、同リハ料を算定していないとの回答が70%を超えていた。足病変に対する理学療法の処方件数が診療報酬改定後に増加したとの回答は約10%でみられたが、足病変に関わる理学療法士の割合は診療報酬改定前(2017年)の実態調査と比較し、増加していないことも確認された。この調査結果を受けて、理学療法の対象となっている足病変患者の背景および再入院理由に関する調査を開始した。調査結果の解析を現在進めている。
初年度のもう1つの課題として、治療後の支援を行うためのツールの作製も同時に進めた。足病変に対する理学療法を必要とする対象者は、末梢神経障害や循環器疾患の併存率が高く、歩行練習を進める際に、転倒や足潰瘍への荷重・運動負荷量の過多に配慮が必要となる。しかしこれまで、歩行の安定性や足圧・バイタルサインを同時にモニタリングできる機器がなかったため、安全を確保し適切な運動療法を進めることは非常に難易度が高かった。そこで、今年度は、無線ボディエリアネットワーク(BAN)を用いて、足圧および筋活動データ・バイタルサインを拘束感なく集約し、解析結果を迅速に提示することで、注意事項などを確認できる支援ツールの作製を進めた。現時点においてBAN経由でバイタルサインと加速度(歩行安定性)の統合は可能であり、足圧と筋電の統合が課題となっているが、測定PC上で全ての情報を集約できる環境は整えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実態調査は開始時期がやや遅れたが、調査は年内に完了し成果発表を行った。 理学療法の対象者に関する調査は、調査開始にあたり倫理審査に時間を要した施設からの結果を待っている状況であるが、5月末には全ての結果を集約し、解析を進められる見通しが立っている。 BANを用いたデータ集約については、装置作成の技術的課題から当初計画していた装置やデータの構造に対し修正が加えられたものの、本研究で目的となるデータ集約方法としては測定結果をPC上でデータを統合することで本研究の目的を達成し臨床使用が可能なシステム開発段階にあり、現時点で開発が完了している環境にて順次活用し測定を進めることとなった。データを統合した後の解析プログラムについては、足圧中心軌跡(COP)を算出し表示する過程は自動化ができているため、対象者の足圧や歩き方の特徴を表示する機能は仕上がっている。
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Strategy for Future Research Activity |
対象者の足病変再発理由に関する調査結果を確認し、関連要因に関する解析を行ったうえで治療後支援ツールの画面に提示する内容(対策)を検討する。 支援ツールについては、解析結果を測定直後に確認し、対象者の歩行の特徴から足病変の悪化・再発リスクとなる要因を修正するための対策を提示できる仕組みを完成させる。測定結果の解析に必要なソフトウェアについては今後の対象施設の増加を考慮し、検討を進める予定である。治療後支援ツールを足病変治療後の対象者に指導を行う場面で使用し、再入院件数や割合について変化が見られるかどうかの検証を進める計画である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は研究分担者に変更があり、分担額が返金されたこと、また治療後支援ツールを稼働させる端末としてタブレットを想定していたが、一旦PCで情報を統合し、臨床での使用を進めタブレットの購入を見合わせたことが挙げられる。 次年度以降は、タブレットへの移行を進められるよう、ボディエリアネットワーク(BAN)におけるデータ集約の課題の解決にむけて継続的に検討を行っていきたい。
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