2023 Fiscal Year Research-status Report
Physiotherapy treatment effect on disuse atrophy of articular cartilage
Project/Area Number |
23K10423
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高橋 郁文 金沢大学, 附属病院, 理学療法士 (30743835)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 関節軟骨 / 廃用性萎縮 / 理学療法 / 変形性関節症 |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性関節症(OA)の早期診断と早期治療は重要である。しかし、これらの段階で生じる細胞および軟骨の組織学的変化は、依然として不明である。この事実に基づき、今年度の研究として、我々は、外傷モデルラットを用いて、変形性関節症(以下OA)の前段階と早期段階における組織学的および免疫組織化学的な経時的変化を検討した。 対象として36匹の雄ラットを、内側半月板の不安定化によるOA群と対照群の2群に分けた。術後1、3、7、10、14日目に関節軟骨の組織学的および免疫組織化学的分析を行った。具体的には組織学的にOARSIスコア、軟骨細胞密度、軟骨厚、基質染色性を評価した。免疫組織化学的分析では、Gremlin-1, HYBID, PRG4, MMP13, ADAMTS5に対する染色を行った。 その結果、軟骨分解に関連するタンパク質の陽性細胞密度は術後1日目から増加した。術後3日目には、軟骨細胞死、表層の線維化などの組織学的変化が観察された。同時に、基質染色性の代償的増加が観察された。変形性関節症学会国際スコアは術後7日目から有意に増加し、軟骨の菲薄化を認めた。術後10日目には、軟骨分解に関連するタンパク質の陽性細胞密度は減少したが、組織学的変化は亀裂と基質の消失を消失を伴って進行した。プロテオグリカン4陽性細胞密度は術後7日目に増加した。 結論として、本研究は、外傷性OAモデルラットの関節軟骨における術後早期の組織学的および免疫組織化学的変化を明らかにした。これにより、Gremlin-1、HYBID、PRG4陽性細胞の分布が明らかになり、経時的な組織学的質的・量的変化の関連性が強調された。これらの知見は、実験モデルの確立と、げっ歯類外傷モデルにおけるOA前段階および早期段階のメカニズムと進行の理解に貢献するものである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、関節軟骨の廃用性萎縮に関連する変形性関節症の早期における組織学的変化について解析が終了した。その結果は国際学会で発表予定であり、さらに国際誌へ論文投稿中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度において、関節軟骨の廃用性萎縮に関連する変形性関節症の早期における組織学的変化について解析を行った。来年度以降は、関節軟骨の廃用性萎縮の発症および進行メカニズムを明らかにしたのち、積極的な運動療法の回復促進効果を明らかにしていく予定である。したがって、関節軟骨の廃用性萎縮に関する研究は、学術的・臨床的に有益な知見が得られる可能性が高い。したがって、当初の研究計画通り、これまでの研究基盤の上に、今年度の研究をさらに推進させる。
|
Causes of Carryover |
予定より実験動物および実験に使用する消耗品に対する支出が少なくなったため。余剰金額については論文投稿およびオープンアクセス費用などに充てる予定で ある。
|