2023 Fiscal Year Research-status Report
A multi-dimensional evaluation of therapeutic intervention-induced functional recovery for unilateral spatial neglect model animal
Project/Area Number |
23K10445
|
Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
土井 篤 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (60619675)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 貴士 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (30734694)
申 敏哲 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (70596452)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 半側空間無視 / 右大脳皮質傷害 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
1.麻酔下及び覚醒下マウスに対する腰部磁気刺激による運動誘発電位と経頭蓋磁気刺激による運動誘発電位測定方法の確立 定量的運動機能評価としての運動誘発電位の測定方法は、ヒト臨床において用いられている。しかしながら、げっ歯類、とりわけ覚醒下のマウスを用いた先行研究から、未だ確立された方法とは言えない。今回、我々は麻酔下での腰部磁気刺激による運動誘発電位記録法の確立を通して、覚醒下での腰部磁気刺激での運動誘発電位、また覚醒下での経頭蓋磁気刺激による運動誘発電位測定を確立する手前の状況まで来ていると考えている。
2.病巣と半側空間無視様行動を結びつける神経科学や介入効果を検討するリハビリテーション研究への寄与 右頭頂連合野と右前頭葉を物理的に傷害したマウスは野生型マウスに比し、右側を選択する割合が高いことをY-字迷路試験を用いて確認した。つまり、その事は右頭頂連合野及び右補足運動野が半側空間無視に関係している可能性を示すものである。さらに、Y-字迷路試験において、マウスに用いるマウス用のY-字迷路試験よりも、本来ラットに用いるラット用のY-字迷路試験の方が顕著に右側を選択する割合が高かった。現在、それらの動物に対して6週間のトレッドミル歩行の効果を解析している。また、右頭頂連合野のみを傷害したマウスを用いて、半側無視様行動との関係を検討している。それら頭頂連合野のみの傷害と頭頂連合野と補足運動野の両方を傷害したマウスの行動を比較することにより右頭頂連合野の機能、あるいは補足運動野の機能差異を見出すことができるかもしれない。さらにこれらの傷害によって半側無視様行動を示すモデルマウスを用いたリハビリテーション領域の研究に進める可能性を秘めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の2点において、ほぼ目標通りに進展したと考えている。 1.右大脳皮質傷害モデルに対する経頭蓋磁気刺激による運動誘発電位測定方法と感覚評価としての感覚閾値の評価 定量的運動機能評価としての運動誘発電位の測定方法は、ヒト臨床において用いられているが、げっ歯類、とりわけ覚醒下のマウスを用いた先行研究から、未だ確立された方法とは言えない。それを今回、麻酔下における腰部磁気刺激での経験を元に、覚醒下における経頭蓋磁気刺激による運動誘発電位を確立する手前の状況まで来ていると考えている。また、感覚閾値に関してもマウスの固定方法、逃避反射による反応に素早く対応する感覚閾値システムの確立がなされたと考えているためである。 2.病巣と半側無視様行動に対する介入効果を検討するリハビリ研究 右頭頂連合野と右前頭葉を物理的に傷害したマウスは野生型マウスに比し、右側を選択する割合が高かった。つまり、その事は右頭頂連合野及び右補足運動野が半側無視様行動に関係している可能性があることを示すものである。これらの傷害を有するマウスが半側無視様行動を示すモデルマウスとして、今後、介入効果を検討するリハビリテーション領域の研究に進める一歩となったためである。
|
Strategy for Future Research Activity |
右の頭頂連合野と補足運動野の両側傷害により右側を選択する割合が高いことは分かった。今後は右頭頂連合野のみの傷害と半側空間無視との関係、右側傷害と左側傷害と半側空間無視との差、動物に対する介入方法も決して多くある訳では無いが、運動療法、物理療法等を検討していく予定である。
|
Causes of Carryover |
傷害部位周辺の脳組織の免疫組織学的実験や蛋白質の発現等を観察するために必要な試薬を発注するタイミングを逸してしまいました。また、既に2023年度に確立した感覚閾値については、より柔軟に対応できるアプリケーションの購入も検討中であり、それらを2024年度に発注する予定があるためです。
|
-
[Journal Article] Whole body vibration accelerates the functional recovery of motor nerve components in sciatic nerve-crush injury model rats2023
Author(s)
Atsushi Doi, Kyoka Oda, Masaki Matsumoto, Honoka Sakoguchi, Mizuki Honda, Yuma Ogata, Asuka Nakano, Misato Taniguchi, Shunya Fukushima, Kyogo Imayoshi, Kanta Nagao, Masami Toyoda, Hiroki Kameyama, Motoki Sonohata, Min-Chul Shin
-
Journal Title
Journal of Exercise Rehabilitation
Volume: 19
Pages: 149-162
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-