2023 Fiscal Year Research-status Report
Descending pain control system plasticity and the effects of exercise therapy in rodents with chronic inframatory back pain.
Project/Area Number |
23K10460
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
徳永 亮太 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (80883959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八坂 敏一 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (20568365)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 慢性疼痛 / 扁桃体 / シナプス可塑性 / 下行性疼痛制御系 / 運動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究の目的は、慢性疼痛における広汎性痛覚過敏に関与していると考えられる下行性疼痛制御系の神経回路の変調機構を明らかにすることである。また、慢性疼痛に対する運動療法の効果を検討し、機序を解明することである。 今年度は、①慢性腰背部炎症モデルラットを作成し、運動療法による行動変化の評価と②トレーサーを用いた扁桃体からの投射を持つ下行性疼痛制御系の検討を行った。 ①行動評価としては、Von Freyフィラメントを用いて皮膚の機械的疼痛閾値、Randal Selittoテストを用いて下腿筋に対する機械的疼痛閾値を評価した。また、慢性疼痛における情動的変化を評価するため、高架式十字迷路にて、恐怖・不安関連行動を評価した。慢性腰背部炎症は両側の脊柱起立筋にフロイント完全アジュバントを微量注入し作成した。アジュバント注入1週間後より週3回30分間の走行運動を開始し、2カ月間にわたり運動と行動評価を継続した。結果は現在解析中である。 ②扁桃体中心核に順行性アデノ随伴ウイルスベクターを微量注入し、前脳から脳幹部までのスライス切片を作成し、蛍光顕微鏡にて観察を行った。その結果、まだ定量的な評価は終了していないが、分界条床核、内側前頭前皮質、無名質、中脳水道周囲灰白質(PAG)、腕傍核、視床下部外側野(LHA)などに投射が認められた。なかでもPAGやLHAといった下行性に疼痛調節に関与している脳部位をメインのターゲットとして、今後の電気生理学的、行動学的実験を光遺伝学を用いながら行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度から光遺伝学的手法を用いて、行動実験と電気生理学的実験を開始する予定であったが、セットアップの構築にやや時間を要してしまった。現在は実施可能な環境が整っているので、次年度より精力的にターゲット部位における介入検討を実施していく。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度明らかとなったターゲットとなる脳部位への扁桃体からの投射神経の機能的解析を進める。具体的には、行動下動物において、下行性疼痛制御系への扁桃体中心核の投射ニューロンを光遺伝学的に操作し、疼痛行動を評価することにより、実際の疼痛制御への関与を明らかにする。介入効果がみられた場合には、投射先、脊髄レベルでの電気生理学的機序を明らかにする。
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Causes of Carryover |
端数が余ったため。物品購入に充てる。
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