2023 Fiscal Year Research-status Report
神経線維の違いに着眼した低出力レーザー療法の疼痛緩和作用と至適照射条件の検討
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23K10484
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
竹内 伸行 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20587076)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 低出力レーザー / 求心性神経線維 / 疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、本研究課題の中核をなす神経線維の違い(Aδ求心性神経線維とC線維の違い)に関して、その活動性を鑑別して測定することができる末梢神経検査装置を導入した。初期段階としては、本測定器の調整および仮測定を行いながら、予備検討を実施し研究方法の詳細を検討した。特に、本研究課題では末梢神経検査装置の電極コードの脱着を伴うために、その測定信頼性については若干の不安要素であった。しかし、電極コードの固定方法や位置決めの方法を詳細に決定し、測定部位のマーキングなどを行うことで、支障のない範囲の誤差にとどめられることができ、その方法で測定-再測定信頼性について検証した。その結果、Aδ線維およびC線維ともにICC>0.9の高い信頼性を認めたことから、本測定においても同様の方法で実施可能であることを確認することができた。令和6年3月現在、低出力レーザー照射による、異なる求心性神経線維の活動性に与える影響をAδ線維とC線維の視点で研究を進めている状況である。 本研究課題は、令和5年度まで助成を受けていた研究課題(19K11329)を発展的および継続的に、修正しながら新たな視点も取り入れてレーザー照射による効果を検証するものである。令和5年度には本研究課題および19K11329の助成を受けて得られた成果に関連する論文を2編掲載することができ、加えて1編を投稿中(令和6年3月現在)である。同様に学会にて4演題を発表することができた。特に、低出力レーザー照射による深部組織温上昇の効果や、対側同部位への照射によるconditioned pain modulation効果に関する知見は、本研究課題を検討するうえでも非常に重要な基礎データであり、両課題をシームレスに実施できていることは本課題にとっても有用であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は必要な研究器材の導入および予備検討を行いながら研究方法の詳細を決定することができた。また、測定―再測定信頼性の検討も実施することができ、本研究課題の本測定を開始した。これらの理由により現状では概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、健常成人を対象に出力180mWの低出力レーザー照射によるAδ線維とC線維の求心性神経線維の活動性を末梢神経検査装置によって測定し、両神経線維に対するレーザー照射の基礎データを検討する予定である。加えて、これまでの助成を受けてきた課題番号19K11329で得たデータのうち未解析なものの解析を進めて、本研究課題の情報として整理していきたいと考えている。また、状況によりレーザー照射による組織温や局所循環、自律神経活動の変化などを検討することで、求心性神経線維に与える影響の作用機序検討の基礎データを得ることも考えている。
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Causes of Carryover |
令和5年度中に開催された学会に当初参加予定であったが、都合により参加できないものがった。加えて、所属機関から支給されている研究費にて測定機材の消耗品を購入することができたため、次年度使用額が発生した。令和6年度はこれまでの研究成果の発表として、学会発表や論文投稿を行いたいと考えているため、それらの費用として次年度使用額から支出したいと考えている。
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Research Products
(8 results)