2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of dementia-preventing exercise that promotes the improvement of brain network functions of vision and movement
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23K10486
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
真壁 寿 順天堂大学, 保健医療学部, 教授 (60363743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 栄三郎 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (20823298)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 脳波筋電図コヒーレンス / 脳波間コヒーレンス / スクワット動作 / β帯域 / 視覚的フィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
視覚的フィードバックを用いたスクワット動作が、脳波筋電図コヒーレンス(以下、EEG-EMG Coh)と脳波間コヒーレンス(以下、EEG-EEG Coh)に及ぼす影響を検討した。対象者は20歳代の若年成人30名とした。脳波測定部位は国際10-20法によるFp1、Cz、P3とした。筋電図は大腿四頭筋内側頭(Quad)、腓腹筋内側頭(Gas)とした。EEGとEMGはPolymate MP208(ミユキ技研)を用いてサンプリング周波数1000Hzにて測定した。スクワット動作は立位から5秒かけてスクワット位となり、その姿勢を5秒保持し、その後5秒かけて立位にもどり、その立位姿勢を5秒とる動作とした。スクワット動作は下肢関節角度をディスプレイ上にリアルタイム表示し、視覚的フィードバックを用い、スクワット姿勢を一定にコントロールした。大腿四頭筋の筋収縮様式によって、立位相(St相)、遠心性筋収縮相(Ec相)、等尺性筋収縮相(Is相)、求心性筋収縮相(Co相)の4つの相に分け、各相におけるEEG-EMG CohとEEG-EEG Cohの値を比較検討した。なお、EEG-EMG Coh とEEG-EEG Coh はWelch 法を用いて計算し、β帯域(13-30Hz)の最大ピーク値を評価した。その結果、St相に比べCo相おいて、P3-Quad間のEEG-EMG Cohの値が、統計学的に有意に高かった。また、スクワット動作の全ての相において、P3-Cz間のEEG-EEG Cohの値が、P3-Quad間のEEG-EMG Cohの値よりも有意に高かった。以上より、スクワット動作はCo相においてP3-Quad間の脳筋間ネットワーク機能を高めるのみならず、スクワット動作の全ての相において脳内ネットワーク機能の協調を促すことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
若年成人を対象にスクワット動作が、脳波筋電図コヒーレンス(以下、EEG-EMG Coh)と脳波間コヒーレンス(以下、EEG-EEG Coh)に及ぼす影響を検討した。その結果、スクワット動作はCo相においてP3-Quad間の脳筋間ネットワーク機能を高めるのみならず、スクワット動作の全ての相において脳内ネットワーク機能の協調を促すことが確認された。同様な結果が地域在住高齢者においても確認されれば、転倒予防及び介護予防、ひいては認知症予防効果が期待できる。今後、対象者を地域在住高齢者に広げてこの点を明らかにしていく必要がある。また、歩行、ステップ動作、認知課題を用いた各種動作においても同様な効果が認められるかを調査する必要がある。加えて、VRを用いた各種動作においても同様な効果が確認できれば、自宅において動作をゲーム感覚で楽しく行うことができ、さらなる効果が期待できる。今後、これらの点を明らかにしていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
若年成人を対象にスクワット動作はCo相においてP3-Quad間の脳筋間ネットワーク機能を高めるのみならず、スクワット動作の全ての相において脳内ネットワーク機能の協調を促すことが確認された。同様な結果が地域在住高齢者においても認められるかを確認する必要がある。また、歩行、ステップ動作、認知課題を用いた各種動作においても同様な効果が認められるかを調査する必要がある。加えて、VRを用いた各種動作においても同様な効果が確認できれば、自宅において動作をゲーム感覚で楽しく行うことができ、さらなる効果が期待できる。今後、これらの点を明らかにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度の実験において眼球運動を測定する実験計画を実施していない。2024年度において眼球運動を捉えるトラッキングシステムを購入し、実験を計画する予定でいる。
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