2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K10490
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
齊藤 慧 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (80707315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮口 翔太 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (60780343)
大西 秀明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90339953)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 知覚学習 / 触覚方位弁別 / 反復回数 |
Outline of Annual Research Achievements |
特定の知覚刺激を用いた課題を長期間行うことで,その課題に対する習熟が起こり,課題成績が向上する.このプロセスは知覚学習と呼ばれており,この学習理論はリハビリテーション医療にも応用することが可能である.知覚学習理論を用いたリハビリテーション医療によって,触覚機能障がいを回復へと導く可能性がある.しかし,知覚学習理論をリハビリテーション医療へと展開するためには解決すべき問題が残されている.知覚学習にはおびただしい回数の反復練習が必要であると考えられているが,どの程度の反復回数が必要であるのかがわかっていない.さらに,課題の反復回数が増えるにしたがって,学習効果も高くなるのかもわかっていない.そこで,本年度は触覚方位弁別課題をどの程度繰り返し実施すると,知覚学習効果が得られるのかを検証した.触覚方位弁別課題とは幅の異なる縞(0.35, 0.5, 0.75, 1.0, 1.2, 1.5, 2.0, 3.0 mm)が刻み込まれたドーム状の機器を対象者の示指に押し当て,その縞の方位(縦or横)を回答する課題である.結果として,触覚方位弁別課題を3セット(50施行×3=150施行)実施したときに弁別能力が向上しはじめることが明らかとなった.さらに,3セット以降は弁別能力が向上する程度に変化が認められなかった.これらの結果から,触覚における知覚学習にはある程度の課題反復回数が必要であるが,ある特定の反復回数まで到達するとそれ以降の学習効果が横ばいになる可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ計測に遅れが生じた理由として,触覚方位弁別課題を用いた評価方法を変更したことがあげられる.評価方法の変更に伴い,その評価方法の信頼性と妥当性の検証に時間を要したが,現在は評価方法が確立したため,今年度の遅れを挽回できるものと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は脳波データの計測を行い,知覚学習効果に関与する皮質領域を同定していく予定である.
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Causes of Carryover |
今年度は脳波データの計測にまで至らなかったため,当初予定していた所要額と実際の使用額に相違が生じた.今年度は脳波データの計測に必要な消耗品やデータ解析に必要な物品棟の購入を予定している.
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