2023 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部3次元模型と3Dホログラム映像とを同期した喀痰吸引手技教育方法の開発
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23K10548
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Research Institution | Osaka Health Science University |
Principal Investigator |
大西 環 大阪保健医療大学, 言語聴覚専攻科, 教授 (70747047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴本 勇 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (30458418)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 喀痰吸引教育 / 養成教育 / 言語聴覚士 / 吸引手技 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.喀痰吸引教育の現状と課題を把握する目的で文献による情報収集を行った。厚生労働省が2010年に理学療法士、作業療法士、言語聴覚士(ST)が喀疲吸引を行うことを業務の一部と見なしうるとして以来、養成教育や医療・福祉現場で喀痰吸引教育が行われている。しかし、その内容は、養成校や病院独自の基準で行われており様々であった。ST養成課程における喀痰吸引教育に関する実態調査は、約10年前の報告以来見受けられない。STが対象とする疾患や病期が拡大する中、喀痰吸引教育のあり方を検討するため、ST養成校での喀痰吸引教育の現状把握が必要である。一方、介護福祉士については、一定の条件のもとで喀痰吸引(医療的ケア)を行うことが可能となったことを受け、厚生労働省によって喀痰吸引教育に関する制度が設けられ、第一号研修、第二号研修、第三号研修が実施されている。 2.喀痰吸引の教育内容に関する情報収集を行い、開発する教育プログラムで重視すべき内容や含めるべき内容について検討を行った。ガイドライン等の代表的なものとして、厚生労働省による「喀痰吸引等指導者マニュアル」、日本呼吸療法医学会による「気管吸引ガイドライン2013」、日本理学療法士協会「吸引プロトコル」、日本作業療法士協会の「喀疲吸引に対する基本的な対応」がある。このほか、各病院等で作成されているプログラムがある。 3.頭頚部3次元模型を用いて吸引手技を教育する方法を検討した。2次元教材と3次元教材について、頭頚部模型、視聴覚教材や吸引シミュレーターに関する情報収集を行った。吸引手技教育で受講者が難しいと感じる項目は、吸引チューブの挿入、患者観察とその評価、清潔操作、解剖学、生理学等の知識などの報告がある。 4.全国のST養成校を対象とした喀痰吸引教育に関するアンケート調査を計画した。質問項目を検討し、アンケート用紙を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
より有効な教育プログラムの開発のため、言語聴覚士養成校での喀痰吸引教育の現状を把握する必要性があると考え、アンケート調査を計画した。その検討にやや時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
全国のST養成校を対象としたアンケート調査から、現在行われている喀痰吸引教育の内容や課題を明らかにし、その結果をふまえて3次元模型を用いた教育内容を更に検討する。3次元模型へのホログラムスクリーンの投射について、どのような映像が適切かを検討する。正常嚥下のメカニズム、誤嚥や咽頭残留の映像、吸引カテーテルの良い挿入の動き、吸引カテーテルの悪い挿入の動きについて、映像の作成を行う。アンケート調査については、必要に応じ入力作業をアルバイトに依頼することも検討し、計画的に進められるよう工夫を行う。
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Causes of Carryover |
近年の物価上昇により頭頚部3次元模型の製作に費用が嵩むことを予想し、共同研究者との打ち合わせについて、可能な限りオンラインを使用した。頭頚部3次元模型の購入を2024年度に行うこととした。
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