2023 Fiscal Year Research-status Report
Does the Central Pattern Generator exist in the human spinal cord? A spinal cord fMRI study
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23K10576
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
宮崎 裕大 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 身体リハビリテーション部, 医師 (70966192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 憲吾 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 脳病態統合イメージングセンター, 科研費研究員 (30809364)
原 貴敏 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 身体リハビリテーション部, 部長 (40619889)
阿部 十也 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 脳病態統合イメージングセンター, 部長 (60588515)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | fMRI / 腰髄 / 脊髄fMRI / CPG / リハビリテーション / 歩行中枢 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物実験では脳や脊髄に歩行中枢、いわゆるCentral Pattern Generator(CPG)が存在すると報告されたが、ヒト脊髄にもCPGが存在するかについては、議論が分かれている。実臨床では、リハビリテーション治療により、脳卒中患者やパーキンソン病患者の歩行リズムが改善した際に、多くの臨床家はCPGが改善したと考える。つまり、ヒトCPGの存在を明らかにすることは、実臨床でも重要である。そこで本研究では、これまで技術的に難しいためほとんど報告がない腰髄functional Magnetic Resonance Imaging(fMRI)により、腰髄CPGの存在を示唆する所見を検討することを目的とする。その前段階として、まずは、腰髄fMRIにより、足関節底背屈運動時の神経活動の評価系を確立する。 2023年度は、腰髄レベルでの神経活動を評価するために、足関節低背屈運動時の腰髄fMRIの評価系の構築を目標とした。腰髄fMRIの評価系を構築するにあたり、撮影時の問題と解析方法の問題があった。撮影時の問題として、足関節運動時のモーションアーチファクトを軽減するための固定方法やMRI撮影条件を検討した。また、解析方法については、研究分担者や海外の研究者との検討により、これまで頸髄レベルで使用されていた解析法を、腰髄レベルでも解析が可能になるように変更した。その結果、2名の健常被験者において、腰髄レベルでの脊髄活動を示唆する所見を得た。一方で、脊髄fMRIは信号雑音比が小さいため、脳fMRIと比較しノイズの影響を受けやすい。そのため、2人の被験者では議論が難しい点もあるため、今後は被験者数を増やす。また、健常被験者での評価系が確立したのちには、パーキンソン病患者など歩行パターンに問題が生じる患者の腰髄での神経活動を評価も検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、腰髄レベルでの神経活動を評価するために、腰髄fMRIの評価系の構築を行った。頸髄fMRIについては少ないものの報告はあるが、腰髄fMRIに関する報告は頸髄fMRIよりもさらに少ない。そこで、本研究では、頸髄fMRIの撮影方法や解析方法を腰髄fMRIに応用する方針とした。 腰髄fMRIの評価系を確立するにあたり、撮影時の問題と解析方法の問題の、大きく2つの問題があった。まず、撮影時の問題として、足関節底背屈運動時のモーションアーチファクトがあったため、ベルトの固定方法の検討により、アーチファクトを軽減する条件を検討した。また、呼吸変動によるアーチファクトを軽減するためにMRIのパラメータなどの撮影条件も検討した。一方で、解析方法については、研究分担者や海外の研究者との検討により、これまで頸髄レベルで使用されていた解析法を、腰髄レベルでも解析が可能になるように変更した。具体的には、腰髄は頸髄と異なり、尾側側で脊髄が馬尾になることや、脊髄と同様に頭側から尾側への構造物である下降大動脈が存在するため、腰髄レベルでは頸髄の解析方法で用いている機械学習が大動脈を腰髄と誤認識してしまうなどの問題があった。そこでこれらの問題を解決するために、解析プログラムを修正した。その結果、2名の健常被験者において、足関節低背屈運動時に腰髄レベルで神経活動を示唆する所見を得た。この結果については、2024年の国際学会で報告予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、被験者が2名と少ないものの、腰髄fMRIにより足関節底背屈運動時の腰髄レベルでの脊髄活動を示唆する結果が得られた。被験者2名の結果を、国際学会のSociety for Neuroscienceで報告予定である。一方で、脊髄fMRIは信号雑音比が小さいため、脳fMRIと比較してもノイズの影響を受けやすい。そのため、今後は論文化に向け、被験者数を増やし、Second-level analysisによる解析を行う予定である。さらに本研究の目的であるCPGの存在を示唆する所見について検討するために、周期的な運動時の脊髄活動についても検討を行うことを計画している。 また、本研究は、リハビリテーション治療の評価法として確立することも検討している。そこで、当院にリハビリテーション治療で入院が多いパーキンソン病患者での評価も検討している。具体的には、パーキンソン病患者中には、すくみ足により歩行開始が困難となることがあり、そのような患者の脊髄レベルでの評価を行いたいと考えている。そこで、パーキンソン病患者での腰髄fMRIの研究を行うために、新規研究として倫理申請を行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由と使用計画 2023年度は、解析法を検討していたため、必要な解析用コンピュータのスペックが決定しなかった。そのため、解析用コンピューターを購入しなかった。2024年度、最適な解析用コンピュータの購入を行う予定である。
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