2023 Fiscal Year Research-status Report
Study on child protection system in connection with coaching in the U.K.
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23K10587
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
森 克己 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 教授 (60343373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂中 美郷 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 講師 (10574056)
ゼッターランド ヨーコ 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (10710709) [Withdrawn]
国重 徹 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 教授 (50225174)
高橋 仁大 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 教授 (50295284)
内田 良 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (50432282)
山田 理恵 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 教授 (60315447)
中村 勇 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 講師 (70315448)
和田 智仁 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 教授 (70325819)
濱田 幸二 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 教授 (90244277)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | イギリス / チャイルド・プロテクション / コーチング / NSPCC CPSU / UK Coaching / IOC / Safeguarding Officer / ガイドライン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、スポーツ指導者等による子どもに対する虐待を防止するイギリスの「子ども保護」(Child Protection、以下CPと略)制度についてコーチングとの連携を中心に考察する。同制度の特徴として、コーチングの全国団体UK Coachingが、3年ごとにスポーツ指導者等に受講義務がある子ども保護ワークショップを開催し、コーチングの公的資格であるUKCC(United Kingdom Coaching Certificate、現在は1st4Sport)取得のための研修内容にスポーツ団体のCPガイドラインの学習が含まれていることなど、コーチングと連携した制度が構築されていることが挙げられる。本研究では、イギリスのCP制度を考察することにより、日本における子どもに対する虐待防止制度の在り方について考察する示唆を得ることを目的とする。 今年度は、マイク・カラン教授(英国)と名古屋大学の内田良教授を招聘し、「子ども中心のスポーツシステム構築に関するシンポジウム」を開催した。マイク・カラン教授からは、UK CoachingとChildren's Coaching Collaborativeにより、様々なアスリートの要求を満たすためにコーチングは柔軟であるべきこと等を内容とする「プレイヤー中心のアプローチ」等を主要な要素とする「Play Their Way movement」が展開されていること等の講演があった。内田教授からは学校におけるスポーツのリスクを見える化することなどについて講演があった。研究代表者(森)からは、国連のUNGP等を背景として、IOCは近年、国際セーフガーディング責任者認定制度を開始する等、アスリート保護の取組を推進していることなどの講演があった。 今年度の研究により、日本においてコーチングと連携したスポーツにおける虐待防止制度を整備する重要性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、イギリスでの学術調査を実施し、研究代表者が、UK CoachingがCP制度で果たしている役割、UKCCの制度全体のマネジメントの実態とUKCC取得のための研修内容、CPSUやイギリス国内のスポーツ団体との連携等を調査することにしていたが、別の科研費の経費でイギリスで開催された国際シンポジウムに出席したこともあり、本研究の科研費の経費によりイギリスでの学術調査をすることは取りやめ、その代わりにイギリスの柔道研究者で、UK Coachingが実施している事業内容にも詳しい、本研究の研究協力者でもあるマイク・カラン氏を日本に招聘し、「子ども中心のスポーツシステム構築に関するシンポジウム」を開催した。 同シンポジウムでのマイク・カラン氏の講演により、イギリスでの学術調査で得られる知見と同等の知見を得ることができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に開催したシンポジウムに招聘したマイク・カラン氏の講演で得られた、UK Coachingがイギリススポーツ団体のCPにおいて果たしている役割や課題を整理するとともに、日本スポーツ協会、全柔連が実施している指導者資格及び研修制度の内容等について聞き取り調査を実施する。また、JOC加盟の日本のスポーツ団体及び都道府県教育委員会に対して、日本においてUK Coachingのようなコーチングの全国団体を設立し、全競技横断的な指導者資格の創設、指導者資格と連携した指導者への研修制度の内容等に関するアンケート調査を実施する。アンケートを実施するに当たっては、前年度のイギリスのCPに関する研究で収集した文献・資料を精査し、日本のスポーツ文化に合ったコーチングと連携した制度の構築に関する質問内容を検討する。また、イギリス柔道連盟(British Judo Association)等充実した内容のCP制度を実践しているスポーツ団体とUK Coachingとの連携について更なる学術調査を実施する。
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Causes of Carryover |
今年度実施した国際シンポジウムに学外の研究分担者にも参加を呼び掛けたが、所属大学の講義日程と重なり出席できなかったため、その分の旅費が不要となった。その他、研究遂行のため予定していた資料収集等のための旅費が、インターネット等による検索で支出する必要がなくなったこと等から、次年度使用額が生じた。 今年度は、研究遂行のための経費を計画的に支出するように努めたいと考える。
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Research Products
(10 results)