2023 Fiscal Year Research-status Report
スポーツ熟練者の動作予測を支える複数の事前手がかりの統合機序
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23K10589
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福原 和伸 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 助教 (10589823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 浩揮 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 准教授 (10423732)
樋口 貴広 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (30433171)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 予測 / ベイズ統合 / 事前情報 / 文脈情報 / テニス |
Outline of Annual Research Achievements |
ベイズ統合実験に利用するためのバーチャルリアリティ(VR)環境を開発した。具体的には、相手動作の位置情報を自由に設定できるプログラミングを組み、先行研究(Loffing & Hagemann, 2014)を参考に条件設定を行った。相手選手の位置はテニスコートの中央位置から50㎝きざみで設定され(+50cm, +100cm,+150cm,+200cm,+250cm)、計5段階で呈示される条件を設定した。予備実験の結果、ボールインパクト時点まで映像を呈示すると、予測の事前手掛かりである「文脈情報」の効果について検討することが難しい可能性が示された。よって、共同研究者とこの点について議論し、幾つかの問題点解決のための方策を練った。他、本研究に関する一部の内容は、2024年度6月に実施される北米スポーツ心理学会(NASPSPA)にて口頭発表にて報告予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備実験の結果、参加者の予測能力にかかわる文脈効果を検討するための幾つかの課題があがったため、その進行が遅れている。具体的には、相手動作のボールインパクトに関する遮蔽タイミングであり、その遮蔽タイミングによって、代表者が意図する文脈情報の効果を精緻に検討できない課題があった。現状では、①ラケットスイング開始前での遮蔽条件、また②相手動作の位置情報のみ(キネマティクスデータなし)を呈示した遮蔽条件を追加検討する必要があることが、共同研究者とともに議論された。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、構築したVR環境を用いて本実験を実施する予定である。先に記した遮蔽タイミングについては、まず①のラケット開始時点で実施を行う予定である。もし文脈情報利用に関する有益な効果が出ない場合は、②の運動学的データを含まない位置情報を追加検討する予定である。
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Causes of Carryover |
2024年度に実施される北米スポーツ心理学会(NASPSPA)に参加するため、その渡航費用にかかる資金を残すこととした。近年、渡航費用が大幅に高騰していることもあり、次年度予算だけでは賄うことが困難と判断したためである。
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