2023 Fiscal Year Research-status Report
Effects of exercise and nap on the following nocturnal sleep, its haemodynamic response, mood, appetite, and task processing capacity in the next morning
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23K10591
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
三浦 朗 県立広島大学, 地域創生学部, 教授 (30190581)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 運動 / 血圧 / 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、運動実施による睡眠と睡眠時の循環応答、翌日の眠気・疲労感・食欲・タスク処理能力に及ぼす運動実施時間帯(午前中・夕方)と運動様式(低強度一定負荷運動・高強度間欠運動)の影響ついて検討した。 健康な女性8名を対象として、自転車エルゴメータを用いて、低強度一定負荷運動(40%Heart Rate Reserve[HRR]、40分)を9:30から実施した日(午前低条件)、同運動を16:30から実施した日(午後低条件)、高強度間欠的運動(90%HRR、1分と40W、2分の繰り返し、繰り返し回数は被験者の低強度一定負荷運動の仕事量と同一)を9:30から実施した日(午前高条件)、同運動を16:30から実施した日(午後高条件)、運動を実施しなかった日(コントロール)の夜に、総睡眠時間・中途覚醒時間・睡眠効率・入眠潜時、睡眠中の血圧と心拍数、自律神経系緊張度の評価、REM・non-REM浅い・深い睡眠の3段階の測定を行った。また、翌日の起床時には、起床時睡眠感(OSA睡眠調査票MA版)、視覚的評価スケールによる気分(眠気,疲労感)、食欲、タスク処理能力(あまりのある割り算50問)を評価した。 睡眠に関してみると、午前低条件において、コントロール条件に比較して、起床時の眠気が改善傾向であった。また、午前低条件において、午後低条件に比較して自覚的睡眠時間の改善、深い睡眠時間・総睡眠時間の増大、入眠潜時が短縮した。また、午前低条件において、午前高条件に比較して自覚的睡眠時間の改善、深い睡眠時間が増大した。これらのことから、午前中に低強度一定負荷運動を行うことが睡眠の量や質を向上させる可能性が示唆された。就寝前の血圧に対する就寝中の血圧の差は、午後高条件においてコントロールと比較して平均血圧が有意に低下した。また、起床時の拡張期血圧において、コントロールと比較して午後低条件は有意に低下した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、令和5年度は、運動実施時間帯(朝・夕方)と運動様式(低強度・高強度間欠運動)が、その日の夜の睡眠の量と質、夜間の循環応答(血圧・心拍数・自律神経系緊張度)に及ぼす影響を調べるとともに、翌日の午前中の生理応答と「眠気・疲労感・食欲・タスク処理能力」に及ぼす影響について検討した。当初の研究計画にほぼ一致した内容の実験を行いデーターの記録・解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度の結果より、「午前中に低強度一定負荷運動を行うことが睡眠の量や質を向上させる可能性が示唆された」ことを踏まえ、運動実施時間帯を午前に決定し、令和6年度は、運動習慣のない健康な成人女性10名を対象として、低強度一定負荷脚自転車運動(40%Heart Rate Reserve[HRR]、40分)を午前中(9:30)に実施する日(条件1)、昼食後の短時間仮眠日(昼食後40分間安静椅座位の後20分間の仮眠、以下午睡)を行う日(条件2)、条件1と条件2を合わせて行う日(条件3)、運動・午睡を実施しない日(コントロール条件)の4条件の夜に、総睡眠時間・中途覚醒時間・睡眠効率・入眠潜時(ActiwatchSP, RESPIRONICS)、睡眠中の血圧と心拍数(ホルタ自動血圧計:TM-243,A&D Medical)、自律神経系緊張度の評価、REM・non-REM浅い・深い睡眠の3段階の測定(睡眠ステージ判定装置:NEM-T1,TOSHIBA)を行う。また、翌日の起床時には、起床時睡眠感(OSA睡眠調査票MA版)、視覚的評価スケールによる気分(眠気・疲労感)、食欲、スク処理能力(あまりのある割り算50問)を評価する。また、令和5年度と同様に、各被検者は、実験実施日の昼食は実験室で摂取し、夕食は規定食(680kcal)を摂取する。なお、性周期を考慮して、実験の実施は「卵胞期」に統一し、各条件はランダムオーダーにて実施する。
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Causes of Carryover |
<理由> 予定より使用額が少なくなった理由は、参加し発表を予定していた2件の学会のうち、1件の学会が都合により不参加となり、旅費の使用額が少なくなったため。 <使用計画> 令和6年度において学会参加件数を一件増やして、旅費として使用する予定である。
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