2023 Fiscal Year Research-status Report
同一筋内の領域特異的な筋活動の解明とそれに基づくトレーニング方法の開発
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23K10618
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
岡田 隆 日本体育大学, 体育学部, 教授 (80532647)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 筋力トレーニング / ボディビル / ボディメイク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「上腕三頭筋の各筋頭および長軸区画的な筋活動動態を解明し、領域毎に細分化して鍛え分けるトレーニング方法を開発する」ことであり、以下の3つの課題を設定した。 「検討課題①:多チャンネル表面筋電図計を用いた筋放電量の計測」 「検討課題②:剪断波エラストグラフィを用いた筋剛性率の計測」 「検討課題③:MRIを用いたT2値の計測」 令和5年度は検討課題③に着手した。男性ボディビルダー10名を対象に、肘関節を屈曲110°から0°まで伸展する肘伸展運動の前後でT2値を測定した。肩関節屈曲角度は0°、50°、160°の3条件に設定し、1RMを測定した。試技はアジャスタブルベンチに仰臥位になり、EZバーを用いて70%1RMの負荷で10回5セット、セット間レスト1分で実施した。上腕三頭筋を長頭近位、長頭遠位、外側頭、内側頭の4領域に分割しT2値の変化率を求めた。その結果、1RMは関節角度間で有意差がなかった。全領域において、肩関節屈曲0°および肩関節屈曲160°と比較して肩関節屈曲50°のT2値変化率が有意に高値を示した。しかし、全ての関節角度、領域において領域特異的・長軸区画的な筋活動は確認できなかった。これらのことから、肘伸展運動では、肩関節屈曲角度を変化させる事で上腕三頭筋を領域特異的、長軸区画的に活動させることは困難だが、肩関節屈曲50°で上腕三頭筋全体を強く活動させることができることが明らかとなった。 検討課題①に関して、多チャンネル表面筋電図計のリースを取り扱う業者の手配が遅延した為、機材の到着が令和5年度末となった。また、検討課題②は検討課題①と合わせて同様のダイナモメーターを用いて測定することから、同時期に実施した方がスムーズに進行するため令和6年度の実施を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
測定が完了した検討課題③はデータ解析も終了したため、2024年9月2日~4日に開催する第78回日本体力医学会大会において発表する予定である。令和6年度に検討課題①および②に着手し、測定が終わり次第データを解析し、論文投稿に向けて原著論文を執筆する。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度末に多チャンネル表面筋電図計の測定準備が整ったため、令和6年度は検討課題①および②の測定を終了させる。測定が終了し次第、学会発表および論文執筆を遂行し、令和7年度には論文投稿、国際学術誌への掲載を目指す。
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Causes of Carryover |
計画していた物品購入費を国際共同研究の旅費に変更したところ、6,134円が残額となった。これは令和6年度の消耗品の購入などに割り当てる予定である。
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