2023 Fiscal Year Research-status Report
運動イメージ能力を規定する神経メカニズムの解明とその応用についての検討
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23K10625
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
水口 暢章 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 助教 (80635425)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 運動イメージ / 脳計測 / 心理実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動イメージは、心的に運動を想起することと定義され、スポーツのトレーニング、リハビリテーションやブレイン・コンピュータ・インターフェイス(BCI)を操作する際によく用いられている。その能力は運動イメージを用いたトレーニングの効果やBCI操作能と関連がある可能性が示されているが、たとえ若年健常者であっても運動イメージ能力に個人差があることは広く受け入れられている事実である。しかし、運動イメージは主観的な体験であるため運動イメージ能力の定量方法は確立していない。したがって、運動イメージ運動イメージ能力を定量的に評価する方法を確立し、その能力を規定する神経メカニズムを明らかにすることは運動イメージを用いたトレーニング効果やBCI操作能の予測、さらには、運動が不得意な人への運動プログラムの提案につながると考えられ意義があると考えられる。 1年目の2023年度は、運動イメージ能力の定量評価法についての仮説を検証するための心理物理実験の準備を進めた。具体的には、Nature Communicationsに発表された論文(Kilteni et al., 2018)を参考にし、心理物理実験を実施するための実験装置を新規に作成した。正常に装置が動作することを確認した後、ヒトを対象とした予備的な実験を行い、仮説通りの結果が得られている。また、実験を実施する生理学研究所にて7T-MRI装置を用いるための共同利用の手続きを行った。さらに、MRスペクトロスコピーの計測パラメータ設定および計測方法確認のための予備実験を行った。現在は、そのデータを解析中であり、目的としているデータが取得できているかを確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目は主に心理物理実験を実施するための実験装置を作成していた。装置の設計、製作、制御プログラム作成も順調に進み、実験装置が完成した。また、作成した装置を用いた予備実験では仮説通りの結果が得られている。また、脳計測実験を実施する生理学研究所にて、7T-MRI装置による実験準備を進めてきた。すでに予備実験を実施してデータも得られていることから本実験を進める準備が順調に進んだと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目の2024年度は、7T-MRI装置を用いた実験の実験デザインの詳細(1試行当たりの計測時間や繰り返し回数など)を決定するための予備実験を実施し、心理物理実験と合わせた本実験を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
当初参加予定だった学会に参加できなかったため、旅費として計上した分が次年度使用になった。翌年度は学会参加の旅費にあてる予定である。
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