2023 Fiscal Year Research-status Report
Walking adaptability from perspective of perceptual function and consideration of methods to promote adaptation
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23K10647
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
上林 清孝 同志社大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (70415363)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 歩行 / 適応 / 知覚 / 電気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
二足歩行において、我々は強く意識することなく、状況に応じて歩き方を修正している。このような歩行動作における運動適応に関する研究は、左右で異なるベルト速度を設定できるスプリットベルト型トレッドミルを用いて進められている。ベルト速度が左右で異なる場合、始めは左右非対称な歩行動作となるが、徐々に対称的な歩容へと推移していく。この歩行動作における適応には感覚情報のフィードバックによる運動修正が関連するものとされ、ベルト速度の左右差を知覚することが重要と考えられる。しかしながら、これまでの多くの研究は歩行パラメータからみた運動出力の変化に主眼が置かれ、知覚機能の観点からの研究は少ない。本課題では、適応に対する知覚機能の関連性を明らかにすることや適応を促す非侵襲的な電気刺激方法の探索を研究目的としている。 今年度、大脳皮質の興奮性を非侵襲的に修飾することができる経頭蓋直流電気刺激を用いて、スプリットベルトでの歩行開始前に一次運動野の興奮性を高めることで、歩行適応を促すことができるかをステップ長の変化から検証した。健常成人を対象とした結果から、スプリット歩行初期でのステップ長の変化に刺激なしでの条件と比較して統計的に有意な差はみられなかった。そのため、スプリット歩行直前に一次運動野の興奮性を高めることによる適応に対する効果は確認できなかった。 今後、刺激タイミングの変更や一次運動野以外への刺激による適応効果を検証する予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度には速度差の知覚閾値からみた知覚機能と適応能力の関連性についての実験を行う予定としていたが、先に適応を促進させる方法の探索に向けた実験を進め、おおむね順調に進展しているものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
スプリットベルト歩行時の左右の速度差を知覚できる最小速度差を知覚閾値として評価し、知覚閾値からみた知覚機能の優劣がスプリットベルト歩行における適応能力に関連するのかを検証する実験を進める予定である。
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Causes of Carryover |
国際学会への参加を見合わせたため、次年度使用額が生じた。次年度の学会発表で使用予定としている。
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