2023 Fiscal Year Research-status Report
意図的ドーピングのリスクマネジメントに関する実践的研究
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23K10671
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
日比野 幹生 日本体育大学, スポーツマネジメント学部, 教授 (00784539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟橋 弘晃 中京大学, スポーツ科学部, 准教授 (10758551)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | ドーピング・リスク尺度開発 / ドーピング・リスク質問紙調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国では、諸外国のようにアスリートの意図的ドーピングが発生している。しかし、我が国では従来から意図的ドーピングに対する意識が希薄であるため、意図的ドーピングのリスクマネジメントに関する研究は推進されてこなかった。そこで、本研究では、我が国のアスリートの意図的ドーピングのリスクマネジメントを可能にするために、アスリートの意図的ドーピング・リスクの測定・評価を行うとともに、その対処について検討することを目的としている。 本年度の研究では、まず、円滑に研究を推進するための体制構築を行った。協力関係機関・団体には、本研究の概要を説明するとともに、次年度以降に実施するアスリートのドーピング・リスクの尺度開発に係る調査やその尺度を用いたドーピング・リスクの測定・評価に係る調査への理解・協力を求めた。各協力関係機関・団体からは本研究に対する理解を得るとともに、今後、当該調査については必要な詳細事項を協議していくこととなった。 加えて、ドーピング・リスクの尺度開発にも着手した。ドーピング・リスクの尺度開発のために使用する質問紙調査の質問項目を作成するに当たって、エリートレベルのアスリートに半構造化インタビュー調査を実施した。本インタビュー調査は、当初から尺度を構成する因子及び指標の作成に援用する予定であった研究代表者の学術研究「ドーピングの誘発要因に対するエリートアスリートの認識に関する質的研究」を補完するための調査である。当該調査の結果は、ドーピング・リスクの尺度開発のための質問紙調査の作成に活用されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では、本年度にアスリートのドーピング・リスクの尺度開発のための質問紙調査を完成させる予定であったが、当該質問紙調査はまだ作成中となっている。これは、当該質問紙を作成するに当たってエリートレベルのアスリートに対する補完的調査が必要になり、当該調査を実施したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、アスリートのドーピング・リスクの尺度の検証に係る調査の実施を目指す。このために、ドーピング・リスクの尺度開発のために使用する質問紙調査を完成させる。また、協力関係機関・団体と当該調査実施に向けた連絡調整を引き続き行うとともに、中央競技団体とも詳細を協議していく予定である。 加えて、ドーピング・リスクの測定・評価やリスクマネジメントの手法についても検討を始める。次年度は、この一環として、アンチ・ドーピングの目的であるスポーツ固有の価値の保護に対するアスリートのみならず国民全般の価値認識について検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度以降に調査に要する経費がさらに必要になる可能性があるため。
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