2023 Fiscal Year Research-status Report
子どもの自治を重視する部活動論とアスレティックトレーナーの専門性の融合
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23K10678
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
神谷 拓 関西大学, 人間健康学部, 教授 (70460467)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | アスレティックトレーナー / 運動部 / 部活動 / 地域連携 / 地域移行 / トレーニング / 中学校 / 外部指導者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の課題は、これまでの部活動研究で指摘されてきた「練習・試合」に関わる課題解決の場面や方法を洗い出し、それらとアスレティックトレーナーの専門性を関連づける原理について検討することであった。具体的にはアスレティックトレーナーの①健康管理、②リハビリテーション、③ケガの予防、④応急措置、⑤コンディショニングに関わる専門性と、スポーツ教育学や部活動研究で重視されてきた、子どもの主体的な課題解決を促す場面や、指導の原理との接点を明らかにすることをめざしていた。 この課題に向けて、まず、National Athletic Trainer’s Associationの刊行する研究誌から、中学校と高等学校の部活動に関わる論文を抽出し、アメリカでは7割の中等教育機関でアスレティックトレーナーが関与している実態を明らかにし、日本の実践研究の前提条件として位置づけた。 次に、アスレティックトレーナーのテキストで解説されている「教育的指導」の内容と、運動部活動の教育論で指摘されてきた「自治」の指導、そして、中学校の保健体育の教科書に記載されているトレーニングの内容の関連性を分析した。そのうえで、アスレティックトレーナーが中学校の部活動指導に関わるための事前研修の内容を検討し、1名のアスレティックトレーナーに研修をした。 さらに、堺市教育委員会と連携して、アスレティックトレーナーを活用した、中学校の部活動指導の実践に取り組んだ(3回)。その結果、中学生はアスレティックトレーナーによる指導を、概ね肯定的に受け入れていること、また、中学生の希望する指導の頻度としては「月に1回程度」であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・堺市教育委員会との連携がスムーズに進んだことにより、当初の予定よりも早く実践研究(予備実践)に取り組むことができた。 ・大学のサバティカルの期間を利用して、海外資料(National Athletic Trainer’s Associationの刊行する研究誌)の収集に取り組むことができた。 ・アスレティックトレーナーを派遣するための研修の内容も、教育委員会やアスレティックトレーナーとの連携がスムーズに築けたことから、計画よりも早く実践研究(予備実践)に取り組むことができた。 ・次年度から、新たに実践に取り組む対象中学校を選定し、指導をするアスレティックトレーナーと計画を立てることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
・堺市教育委員会と連携をして、アスレティックトレーナーを派遣した部活動指導の検証実践を行う(全10回を予定)。対象校は、当初の計画では4校を予定していたが、変更して1校にする。 ・検証実践に向けて、アスレティックトレーナーと、全10回の指導の内容を検討する。 ・1回の実践が終わるごとに、生徒にアンケートやインタビューを実施する。 ・アスレティックトレーナーや、指導を受けた中学生を対象に、部活動やトレーニングを自分達で取り組んでいくことの重要性を解説した研修動画(eラーニング教材)を作成する。 ・アスレティックトレーナーを養成する専門学校と連携し、持続可能なアスレティックトレーナーの派遣システムについて検討する。
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Causes of Carryover |
前倒し申請で、400,000円を追加した。主な使途は、National Athletic Trainer’s Associationの翻訳と、資料整理に関わる人件費である。その残金は、アスレティックトレーナーが部活動に関わっている事例の分析(旅費)に充てる予定であったが、スケジュールがあわず、次年度に先送りした。次年度においては、アスレティックトレーナーが関わる部活動を視察するための旅費か、あらたなフィールドを開拓するための旅費として使用予定である。
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