2023 Fiscal Year Research-status Report
Power of Nutrition:パラアスリートの競技力と健康意識が向上する栄養サポートの確立
Project/Area Number |
23K10688
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
出口 美輪子 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 特任助教 (10793557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 久代 大阪公立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 教授 (10647829)
本宮 暢子 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 特任教授 (70864586)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | エネルギー消費量 / 脊髄損傷 / 上肢エルゴメータ / 運動負荷試験 / 心拍数モニタリング / パラアスリート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、脊髄損傷や四肢の切断・欠損の有するパラアスリートのエネルギー消費量を正確に見積もり、パラアスリートの理想的な食の実践を妨げている問題を明らかにすることによって、彼らへの栄養サポートをカスタムメイドする手法を確立することである。 年度の前半は、予備試験として、上肢運動時の心拍数と酸素摂取量の回帰式の妥当性を検証するため、健常者を対象に上肢エルゴメータを用いた運動負荷試験を実施し、下肢エルゴメータの試験結果との比較を進めた。その結果、上肢のトレーニング状態に関わらず、心拍数に対する酸素摂取量の関係式は上肢運動時と下肢運動時で異なり、同等の心拍数に対する酸素摂取量は上肢運動時で下肢運動時より低値を示した。さらに心拍数と酸素摂取量の関係式と年齢から推定される最大心拍数から推定される最大酸素摂取量は上肢運動時で下肢運動時に比べて小さくなることが明らかとなった。この成果について、学術雑誌にて報告を行った。 年度の後半は、心拍数モニタリングを用いたエネルギー消費量の推定のための試験を実施した。脊髄損傷または二分脊椎を有するパラアスリート14名に対し、上肢エルゴメータを用いた運動負荷試験を実施した。さらに手関節に装着する心拍計をスポーツ活動実施日とスポーツ活動非実施日の2日間装着を依頼し、24時間心拍数の計測を実施した。さらに総エネルギー摂取量を推定するために食物摂取頻度調査票への回答を依頼した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パラアスリートの被験者を募集したが、予測よりも募集に時間がかかり、試験を開始するのが遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
上肢エルゴメータを用いた運動負荷試験結果と24時間心拍数モニタリングの結果をもとに、対象者のエネルギー消費量の推定を実施する。食物摂取頻度調査票で得られた結果と照らし合わせてエネルギー収支バランスを計算し、より正確な推定方法の確立をめざす。さらに同意の得られたパラアスリートについて、より詳細な食事内容調査を実施し、彼らが抱える食生活上の課題の調査をすすめる。
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Causes of Carryover |
予測よりも対象者のリクルートに時間を要したため、予定よりも進捗が遅れたため次年度使用額が発生した。 次年度使用額は食事内容調査に必要な栄養価計算ソフトの購入や、栄養指導に必要な物品の購入費、ならびに成果発表にかかる旅費に充てる。
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