2023 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋の毛細血管内皮細胞と周皮細胞のクロストークによるサルコペニア予防法の確立
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23K10697
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
井上 一歩 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (60814225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池森 敦子 (上條敦子) 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (80350635)
星野 誠子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 研究技術員 (80616045)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 筋重量 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、習慣的走運動による筋力低下、筋委縮の抑制に、内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)と骨格筋内毛細血管の増加の関与の可能性を見出した。そこで、近年報告された「血管機能維持には、eNOS-NO-可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)系活性化が関与すること」に着目した。 習慣的走運動の骨格筋に対する影響に、eNOS-NO-sGC系の関与を明らかにするために、3ヵ月齢のeNOS欠損マウスおよび野生型マウスに8週間のトレッドミルを使用した走運動負荷を行った。eNOS欠損マウスは、実験に用いる匹数を確保するために、The Jackson Laboratoryよりオス3匹およびメス9匹購入し、繁殖させた。また、トレッドミルによる走運動については、1週目は17 m/min、傾斜5度、30分間、2週目は25 m/min、傾斜5度、45分間、そして3~8週目は25 m/min、傾斜5度、60分間の条件で週5日行った。 骨格筋の機能評価のため、実験開始前、開始4週間後、実験終了前の3ポイントで、体重、血圧、筋力、身体機能(飼育容器内に3日間、回転輪を設置し、24時間の平均走行距離を算出)および摂餌量を経時的に測定した。8週間の走運動後に筋表面の血流速度を評価し、後肢筋(前脛骨筋、長趾伸筋、ヒラメ筋、足底筋、腓腹筋)を摘出し、重量を計測した。また後肢筋は分子生物学的解析および組織学的解析のために凍結保存した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
eNOS欠損マウスはThe Jackson Laboratoryより購入し、繁殖させ、実験必要匹数の確保について、計画通り進んでいる。初年度は3ヵ月齢マウスに運動負荷を行う計画をしていたが、予定通り、実験を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、摘出した3カ月齢マウスの後肢筋の分子学的解析および組織学的解析を行う。また、骨格筋の壮年期である12ヵ月齢マウスにも同様のトレッドミル運動を行い、骨格筋に対するeNOSの関与を確認する。また、sGC活性の影響を明らかにするために、周皮培養細胞にsGC活性化剤を添加し、網羅的解析を行う。
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Causes of Carryover |
購入を予定していた周皮培養細胞の在庫確保が間に合わなかったため、次年度使用額が生じた。使用計画は、周皮培養細胞を購入し、予定している周皮培養細胞を用いた網羅的解析を行う。
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