2023 Fiscal Year Research-status Report
カーボローディング中の体重増加に対する栄養素等摂取量の関与
Project/Area Number |
23K10716
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
塩瀬 圭佑 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (70708106)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨賀 理恵 福岡大学, スポーツ科学部, 研究員 (80881218)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | カーボローディング / 体水分量 / 体重 |
Outline of Annual Research Achievements |
数日間にわたる多量の糖質摂取(カーボローディング)により、体水分を主とした体重増加が生じることがよく知られている。しかし、その原因については不明な点が多い。カーボローディング中は糖質だけでなく水分や塩分など体水分の調整に関与する栄養素等の摂取量も大きく増加する。そこで、本研究ではカーボローディング中の栄養素等摂取量の変化が体重や体水分量に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 令和5年度は、カーボローディング中の水分摂取量の増加が体重や体水分量へ及ぼす影響について検討した。本研究では、日常生活下において一定の範囲を超える体重変動がない10名の健常成人男性を対象とした。対象者は、約60分間の高強度インターバル運動後に①標準糖質・標準水分量(炭水化物 6.1±0.4 g/kg体重/日, 水分摂取量 3138±181 mL/日)、②高糖質・標準水分量(炭水化物 11.3±0.5 g/kg体重/日, 水分摂取量 3180±173 mL/日)、③高糖質・高水分量(炭水化物 11.3±0.5 g/kg体重/日, 水分摂取量 4197±234 mL/日)の食事を3日間摂取した。食事介入前後に、体重及び体組成の評価を行った。本研究の結果、体重や生体電気インピーダンス法で評価された体水分量について、全ての条件において、食事介入前後で有意な変化はみられなかった。 本研究の結果は、カーボローディング中の水分摂取量の増加が体重や体水分の増加を引き起こす主要因とはならない可能性を示唆するものであった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度では予定していた研究を当初の計画の通りに達成することができた。そのため、おおむね順調に研究を進行できていると判断した。ただし、安定同位体比分析など、一部の項目については現在分析の途中であり、令和6年度の研究計画の中で、分析及び結果のまとめを完了したい。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度の研究において、水分以外の栄養素がカーボローディングによる体重・体水分量の変化に及ぼす影響を明らかにするための試験を行う予定である。当試験は、令和6年度中期以降の実施へむけて準備を進めている。 また、本年度の結果を踏まえ、今後の研究では詳細な身体組成の測定や筋グリコーゲン量の測定を実施する必要性が高いと判断した。これらの測定が実施可能な大学や研究機関と協力し、今後の研究で取り入れられるよう対応したい。 万が一、感染症の蔓延等の影響により計画している研究の実施が困難な場合は、目標対象者数の変更など臨機応変に対応したい。
|
Causes of Carryover |
安定同位体比など、一部の項目について分析が完了していないため、次年度使用額が生じた。令和5年度において使用しなかった予算は、未完了の測定項目の分析のために令和6年度中に使用する。
|