2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel treatment for lifestyle-related diseases targeting mucosa-associated microbiota and mucosal barrier
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23K10804
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
堅田 和弘 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60593910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 智久 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70405257)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / 粘膜関連細菌叢 / 腸管バリア |
Outline of Annual Research Achievements |
生活習慣病をはじめとした様々な疾患において、腸内細菌叢の変容がその病態の発症・進展に密接に関連していることが明らかとなった。しかしながら、腸内細菌叢の変容がもたらす腸管ホメオスタシスの破綻において、腸管粘膜上皮に密接に関わる粘膜関連細菌叢や粘膜バリアの役割については十分に解明されていないのが現状である。本研究では、生活習慣病やリーキーガットシンドロームの動物モデルを用いて、またトランスウェルやUssing chamberを用いた腸管粘膜上皮における粘膜バリアの評価系を基に、先行研究をさらに発展させ、先行研究やドラック・リポジショニングから新規治療薬のスクリーニング、及び動物実験での評価を行い、粘膜関連細菌叢や粘膜バリアを標的とした生活習慣病の新規治療法の開発を目指すものである。 当該年度としては、疾患動物モデル、ノックアウトマウス、細胞、Ussing chamberを用いて、腸管粘膜上皮の強化機構の解明のための検討を進めた。その中で、腸管バリアの制御機構に関わるフェロトーシスの役割についての研究を実施し、第49回日本微小循環学会総会で発表した。今後さらに研究を進め、論文作成を予定していく。リーキーガットシンドロームの動物モデルでの新規治療薬の効果についての検討を行なったが、ネガティヴデータであり、再検討を行っていく。腸管バリア制御に関わるノックアウトマウスを用いた検討を予定したが、繁殖状況が悪く、今年度の検討はあまり進捗しなかった。上記を踏まえ、本年度の研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
先行した科研費の研究の残りを進めたため、本研究の遂行に遅れを生じた。使用する予定のノックアウトマウスの繁殖状況が芳しくなく、研究の実施が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
①先行研究を継続・発展させる(生活習慣病の動物モデル(db/db糖尿病マウス、高脂肪食負荷マウス等)やリーキーガットシンドロームの動物モデル(低濃度デキストラン硫酸ナトリウム、酸化チタンを用いた腸管バリアの破綻による動物モデル、ポリソルベート80を用いた粘液層の減少による動物モデル)を用いて、粘膜関連細菌叢や粘膜バリアを介した腸管粘膜上皮の強化機構を明らかにし、腸管粘膜上皮の強化に向けた治療標的を明らかにする。>>研究を継続し、腸管粘膜上皮の強化機構を解明していく。 ②先行研究やドラック・リポジショニングを応用し、粘膜関連細菌叢への影響について、上記生活習慣病やリーキーガットシンドロームの動物モデルを用いて検討し、治療候補を探索する。>>治療候補を用いた検討を継続するとともに、新たな治療候補の選定を進めていく。 ③先行研究やドラック・リポジショニングを応用しトランスウェルやUssing chamberにより細胞やEx-vivoのレベルで粘膜バリアを評価し、粘膜バリアを強化させる治療候補を探索する。>>細胞やEx-vivoを用いて検討を継続していく。 ④上記検討にて明らかになった治療候補が、粘膜関連細菌叢の変容や粘膜バリアの強化を引き起こし、生活習慣病を改善させるかについて、動物モデルを用いて検証する。その結果を基に将来的なヒトでの臨床検討に向けた研究基盤を確立する。>>まずは上記①②③の検討を進めていく。その上で、新規治療候補による疾患モデルの効果を検証していく。
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Causes of Carryover |
実験に使用する予定のノックアウトマウスの繁殖が遅れ、当初予定していた実験ができず、そのため次年度使用額が生じた。次年度には、当初より予定のノックアウトマウスを用いた腸管バリアの制御にかかわる実験にこの研究費を使用予定である。
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