• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

肥満による好酸球性喘息悪化の機序の解明

Research Project

Project/Area Number 23K10806
Research InstitutionJichi Medical University

Principal Investigator

早川 裕子  自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (80626929)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords肥満 / 喘息
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、肥満-好酸球性喘息モデルの作製法と評価法を確立した。肥満-好酸球性喘息モデルは、8-10週齢のメスマウスに普通食または高脂肪食を16週間給餌した後、卵白アルブミンの腹腔内投与と点鼻投与により喘息を惹起し作製した。喘息の対照群には生理食塩水を腹腔内投与した。野生型マウスでは、高脂肪食を給餌した場合、普通食給餌に比べて体重が1.4倍増加、腹部脂肪重量が6.5倍増加した。また、血漿中の総コレステロール、遊離脂肪酸、中性脂肪が高値を示し、脂肪肝を発症した。
高脂肪食-喘息群は、普通食-喘息群に比べて、肺胞洗浄液中の総細胞数が増え、とくに好酸球数の増加が顕著であった。好酸球誘導に関わるIL-5などのTh2サイトカイン濃度上昇も認められた。肺組織内の炎症細胞数、および細胞表面抗原の発現を解析したところ、高脂肪食-喘息群は、他群に比べて、マクロファージと好中球の数は少なかったが、好酸球、特定のT細胞および自然リンパ球が増加していた。また、T細胞および自然リンパ球では、IL-33受容体の発現亢進が認められた。これらの結果から、肥満を伴う好酸球喘息は、通常体重の喘息よりも重篤化することが示唆された。
肥満-好酸球性喘息におけるIL-33シグナル伝達の役割を検討するために、上記モデルをMK2とMK3の欠損マウスに適用した。高脂肪食を給餌したMK2欠損、MK3欠損、MK2/MK3二重欠損マウスは、野生型マウスと同等に体重増加したことから、MK2とMK3欠損は肥満に影響しないことが示唆された。喘息の病態については順次解析中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和5年度内に、野生型マウスにおいて肥満-好酸球性喘息モデルの作製法と評価法を確立し、MK2およびMK3の欠損マウスにも適用した。高脂肪食給餌による体重増加にMK2とMK3の欠損が影響しないことが明らかになり、今後、喘息を中心とした病態解析を進めることができる。

Strategy for Future Research Activity

令和6年度以降、MK2とMK3の欠損マウスを中心に解析し、肥満-喘息発症におけるIL-33シグナル伝達の役割を明らかにする。また、肝臓、および脂肪組織を中心に、好酸球性喘息を誘導する肥満由来因子を探索する。さらに、喘息病態の重篤化を防ぐ薬剤投与実験、および治療的実験を実施する。

Causes of Carryover

予定していた学会に参加できなかったため、旅費の計上が無かった。また、マウスの高脂肪食飼料の消費が予定より少なかったため購入量が減った。次年度使用額分は、令和5年度後半に作製した肥満-好酸球性喘息モデルの組織サンプルおよび血漿サンプルの解析費に使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Remarks (1 results)

  • [Remarks] 自治医科大学 医学部 生化学講座 病態生化学部門ホームページ

    • URL

      https://jichi-biochem.jp

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi