2023 Fiscal Year Research-status Report
GPRC6Aシグナリングによるオルガネラの恒常性維持機構の解明
Project/Area Number |
23K10816
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Research Institution | University of East Asia |
Principal Investigator |
向井 悟 東亜大学, その他の研究科, 准教授 (90467887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 太一 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00392374)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | GPCR / オルガネラ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、マウスの脂肪組織特異的にGタンパク質共役型受容体(G-protein coupled receptor : GPCR)ファミリーの1つGPRC6A(栄養素センサーとしても捉えることができる)をノックアウトすると、脂肪組織において脂肪分解酵素群の発現が著減することを見出し、さらに脂肪組織においてオルガネラ(少なくともミトコンドリア、ペルオキシソーム、小胞体)の特に構成膜タンパク質の著減を見出した。つまり、細胞内環境の崩壊である。細胞レベルでもGPRC6Aシグナリングが代謝酵素の発現調節のみならず、オルガネラの恒常性維持も担っていると想定された。確かに、マウス培養肝細胞におけるGPRC6A発現抑制によって、オルガネラ構成タンパク質群の発現低下が見られることを確認していた。 この現象に至る過程には、オートファジーやプロテアソーム系などの細胞内分解系が関与している可能性を探るため、まずGPRC6A発現抑制安定発現株の樹立を試みた。 一方で、マウス培養肝細胞をGPRC6Aのリガンドとして知られているオルニチン存在下で培養することにより、GPRC6Aシグナリングを活性化させた際のオルガネラ局在性タンパク質の動態、並びに想定されるシグナル伝達分子の活性化状態について検証した。 その結果、現時点で安定的GPRC6A発現抑制細胞の単離までに至っていない。しかしながら、GPRC6Aシグナリング経路の活性化により、オルガネラタンパク質の発現増加および活性化・関与が想定される転写因子PPARαなどの複数の因子のタンパク質量増加や活性化・リン酸化を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現時点で shRNA や CRISPR/Cas9システムによるGPRC6Aの安定発現抑制細胞の樹立に至っていないため、GPRC6A発現抑制によるオルガネラの形態学的解析を行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、手法を変えて安定的なGPR6A発現抑制細胞の樹立を行い、当初の計画通り細胞生物学的解析を進める。また、GPRC6Aリガンド・アゴニストによって活性化されるシグナル伝達経路のさらなる解析を行う。
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