2023 Fiscal Year Research-status Report
がん化学療法時の栄養状態に関わる腸管機能モニタリングの確立
Project/Area Number |
23K10848
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
井山 諭 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50398319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小船 雅義 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90336389)
高田 弘一 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90398321)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ジアミンオキシダーゼ / 腸内細菌叢 / がん化学療法 / 腸管粘膜障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)院内での倫理委員会申請許可後より,患者保存資料を用いた研究を開始している。ジアミンオキシダーゼ値に関してはELISAシステムによる測定を開始した。測定の結果,同種造血幹細胞移植に伴う前処置(大量化学療法)の後,血中ジアミンオキシダーゼ値は一時的に低下し,多くの場合2週間後に最低値となることが分かった。これは患者が前処置に伴い経口栄養摂取不良状態になる時期と一致しており,腸管機能モニタリングに有用である可能性が示唆された。経過としては,腸管機能が良好に保たれる患者の場合には,おおよそday14以降で緩やかな改善を認めるが,腸管機能に問題がある場合にはジアミンオキシダーゼ値の回復遅延が見られることが分かった。 2)次世代シークエンサーを用いた腸内細菌叢検査は20検体施行した。経過で細菌叢の推移が見られる症例や,移植開始時点ですでに顕著なdysbiosisが見られる症例があることが判明した。しかしながら検出される細菌の種類には一定の傾向はなく,患者間でばらつきがあることが分かった。 今後ジアミンオキシダーゼ値の測定以外に,活性値の測定と実測値との違いに関する検討を加えたいと考えている。また,腸内細菌叢の関係や,移植後の移植片対宿主病(GVHD)の関連性などに関しても患者情報と照らし合わせた調査を続けたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していたアッセイに関しては,準備した検体の約半数が終了している。今後もアッセイを継続する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は残り全ての検体に関してアッセイを進める。またカルテベースで臨床情報とのマッチングを行う。データ解析後,学会発表および論文作成を開始する予定。
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Causes of Carryover |
前年度の研究において,全サンプルでの検索ができなかったため,余剰が生じた。今年度で予定の全てのサンプルの解析を行う計画はすでに立っており,予定された使用額になると予想される。
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