2023 Fiscal Year Research-status Report
慢性腎臓病において食餌時間制限が腎臓の代謝および骨格筋萎縮に及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
23K10851
|
Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
吉田 卓矢 熊本県立大学, 環境共生学部, 准教授 (80622448)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 慢性腎臓病 / 食餌時間制限 / 運動 / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病では、腎臓の代謝異常が確認され、代謝異常によって腎障害がさらに進展することが明らかとなっている。本研究では、代謝異常に有効であると考えられる食餌時間の制限が慢性腎臓病の病態に及ぼす影響を検討することを目的とする。また、近年、慢性腎臓病において骨格筋のサルコペニアが予後に影響することから、食餌時間の制限が運動の効果に及ぼす影響も検討し、慢性腎臓病における食餌療法および運動療法について腎障害とサルコペニアの両サイドから検討することを目的とする。2023年度は、長期的に高脂肪食を与え腎機能を低下させることで、ヒトの生活習慣病に合併する腎障害を想定した慢性腎臓病モデルマウスの作成を実施した。その結果、高脂肪食負荷3カ月頃から尿中アルブミン排泄量が健常のマウスに比べて増加し、4カ月目では有意に増加したたため、本研究で用いる慢性腎臓病モデルマウスは4カ月の高脂肪食摂取にて作成する条件を決定した。作成した慢性腎臓病モデルマウスを用いて、食事制限給餌および持久性運動を行う実験を8週間実施した。慢性腎臓病モデルマウス作成後に、食事時間制限給餌や継続的な運動負荷の実験を実施し、今後詳細な検討をするために腎臓および骨格筋の採取を行った。本実験に必要なマウスの数を一度の実験で飼育することは困難であり、また、慢性腎臓病モデルマウスの作成と実験期間を併せると計6か月以上要するため、2024年度も引きつづきマウスを飼育し、サンプルを採取する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに高脂肪食を持続的に与えて慢性腎臓病モデルマウスを作成し、サンプルを採取することができたため、おおむね順調に進展していると評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は実験に必要な慢性腎臓病モデルマウスを作成し、組織サンプルを採取した。また、一度に飼育できるマウスの数に限りがあるため、2024年度も引き続き慢性腎臓病モデルマウスを作成し、実験を行い組織サンプルを採取する予定である。2024年後半には、サンプルの採取が完了するため、慢性腎臓病による腎組織学的評価を行う。さらに本研究の目的である食事制限給餌と運動が慢性腎臓病モデルマウスの腎障害および骨格筋の変化に対する影響を検討する。
|
Causes of Carryover |
予定よりも慢性腎臓病モデルマウスの作成に1か月以上期間が必要となり、実験開始時期が遅れたため、実験試薬の消費期限を考え消耗品の購入をしなかった。そのため、次年度使用額が生じた。2024年度は、実験サンプルの採取が完了するため、適宜実験を実施して予算を執行する。
|