2023 Fiscal Year Research-status Report
雌性モデルマウスを用いた発達障害様行動に対するラクトフェリンの効果
Project/Area Number |
23K10859
|
Research Institution | Yokohama College of Pharmacy |
Principal Investigator |
出雲 信夫 横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (70368976)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長嶋 大地 横浜薬科大学, 薬学部, 講師 (20713720)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | ラクトフェリン / OVX / 社会性行動 / 不安様行動 / マイクロダイアリシス |
Outline of Annual Research Achievements |
LFは、1939年に「牛乳の赤いタンパク質」として発見された。ヒトを含む哺乳類の乳汁、特に母親の初乳に多く含まれる。このことは、LFが、乳児が必要とする極めて重要でかつ安全なタンパク質と考えられる。そのため、LFの研究は、免疫増強作用や抗炎症作用などが報告されている。また、癌細胞への抑制作用や放射線防護作用など、新しい薬理作用も証明されている。しかしながら、その作用機構は明らかにされていない。また、骨代謝においては、骨芽細胞の増殖促進や破骨細胞への骨吸収抑制が報告されている。一方、中枢神経系においては、脊髄を介して脳へ移行することが証明され、中枢において神経変性疾患や脳血管疾患に対する効果について研究が進められている。また、初期の神経発達においてLFが重要な役割を果たすことが考えられている。しかしながら、発達障害に対する効果についてはほとんど明らかにされていない。 今年度は、若年期卵巣摘出マウスの行動変化について検討し、three-chamber testにおける社会性行動の異常とopen field testにおける多動行動を認めた。また、その脳内セロトニン遊離量の増加およびトリプトファンヒドロキシラーゼの遺伝子発現レベルの増加が認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験モデル動物の作製に時間がかかり、遅れている。現在、モデル動物に関する論文を投稿中であり、今年度は当初の計画に基づき、実施する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
行動変化や脳内のセロトニンに変化が認められたので、今後ラクトフェリンの効果について検討を行う。
|
Causes of Carryover |
実験モデル動物の作製に時間を要したため、当初の研究の一部を遂行できなかった。
|