2023 Fiscal Year Research-status Report
歯周病細菌のデンタルプラーク内環境適応と病原性との関連
Project/Area Number |
23K10872
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
多田 彩乃 香川大学, 医学部, 助教 (80779463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 知巳 香川大学, 医学部, 教授 (60263810)
今大路 治之 (中山治之) 香川大学, 医学部, 講師 (80294669)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | Fusobacterium nucleatum |
Outline of Annual Research Achievements |
多種多様な口腔細菌から形成されるプラークの蓄積は歯周病の原因となる。歯周病は全身性慢性炎症を引き起こし、糖尿病や心血管系疾患の発症リスクを増加させる。これまでに、歯周病関連細菌であるFusobacterium nucleatumが初期定着菌であるActinomyces naeslundiiとの微生物間相互作用により形態を変化させ、バイオフィルム形成能や他の口腔細菌との共凝集能を増加させることを見出した。本研究では、「プラーク内での環境適応が歯周病細菌の細胞付着性や病原性を変化させ、歯周組織のみならず遠隔組織で病変形成を増強する」という歯周病細菌による新たな疾病発症メカニズムを明らかにする。 初年度は、歯周病細菌の組織定着性や病原性を変化させ、遠隔臓器での病変形成を促す環境シグナルの役割を解明することを目的とした。種々の培地で培養したF. nucleatumを歯肉上皮細胞(Ca9-22)、大腸がん細胞(HCT116 およびHT29)と接触させ、炎症性サイトカイン産生量を測定し、各がん細胞に対する細胞増殖促進効果をCell Counting Kit-8(CCK-8)アッセイで評価した。 今後、F. nucleatumの細胞機能傷害作用のうち、特定物質により増強されるものについて、類似物質が抑制できるか否かを調べる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画実施計画の通り、環境適応させたF. nucleatumを歯肉上皮細胞(Ca9-22)、大腸がん細胞(HCT116 およびHT29)と接触させ、炎症誘導性や細胞増殖促進作用を評価でき、重要な結果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
種々の培地で培養して環境適応させたF. nucleatumを歯肉上皮細胞(Ca9-22)、大腸がん細胞(HCT116 およびHT29)と接触させると、炎症性サイトカイン産生量が増加し、細胞増殖を促進させた。 今後、F. nucleatumの細胞機能傷害作用のうち、特定物質により増強されるものについて、類似物質が抑制できるか否かを調べる。
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