2023 Fiscal Year Research-status Report
膵β細胞における機能疲弊と分化転換の可塑性・可逆性が織りなす糖尿病病態の多様性
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23K10894
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
沖田 直之 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 講師 (60453841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正樹 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 講師 (30795612)
樋上 賀一 東京理科大学, 薬学部生命創薬科学科, 教授 (90253640)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 2型糖尿病 / 膵島 / 分化転換 / 機能疲弊 |
Outline of Annual Research Achievements |
2型糖尿病発症における膵島機能低下の本質は、β細胞のinsulin分泌機能低下状態である「機能疲弊」と、それに続くβ細胞から非β細胞への「分化転換」による機能的なβ細胞絶対数の低下によるinsulin分泌機能不全に集約されると考えられるようになってきた。申請者は、これまでに「in vitro β細胞 機能疲弊モデル」の作成に成功したが、機能疲弊と分化転換との間の制御機構の解明には至っていない。本申請課題では、過栄養ストレスによるβ細胞障害を研究対象とし、「in vitro β細胞分化転換モデルの構築」、「分化転換と機能疲弊の可塑性・可逆性の検証」、「分化転換の多様性の理解」を通して、糖尿病におけるβ細胞の機能障害メカニズムの分子基盤の確立を目指している。本課題においては、特に膵β細胞の糖/脂肪酸による急性毒性及び慢性毒性の観点からglucoseやアミノ酸などのinsulin分泌亢進への影響やβ細胞主要制御因子のタンパク質発現レベルの解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
急性毒性及び慢性毒性の観点からglucoseやアミノ酸などのinsulin分泌亢進への影響については、その可逆性も含めて検討が終わりつつある。さらに、in vitro培養細胞系におけるinsulin分泌亢進作用に関して、glucose以外の重要な役割を果たす因子についての知見を得たことは特筆すべきことである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、当研究グループが設定した糖/脂肪酸毒性条件が、insulin分泌に与える影響について一定の結論を得る。さらにin vitro培養細胞系におけるinsulin分泌亢進作用に関して、glucose以外の重要な役割を果たす因子についての知見は、次年度論文化のデータ集積を完了することを目標とし、この結果を培養モデルの構築に還元、すなわち当該因子の培養培地への過剰付与による影響を検証する。
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Causes of Carryover |
学内競争資金での獲得予算の投入により残額が生じた。本年度はサンプル保管スペースが手狭になってきたため、小型フリーザーの購入も検討する。
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