2023 Fiscal Year Research-status Report
基質結合部位を標的とする副作用を抑えたアルツハイマー病の治療薬開発
Project/Area Number |
23K10903
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
福森 亮雄 大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (00788185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 淳 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 研究推進基盤センター, 室長 (90321843)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / 基質結合部位 / APP |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年12月にアルツハイマー病の新規治療薬としてAβ抗体療法薬であるレカネマブが承認された。このことから、アミロイドβタンパク(Aβ)がADの主要な原因ということが、より強く支持された。これまでに、Aβの産生はβセクレターゼ・γセクレターゼなどのタンパク分解酵素の切断により起こることが明らかになっていたが、γセクレターゼの切断プロセスは複雑で、その制御機構はほとんど解明されていなかった。
申請者らはそのγセクレターゼの切断の制御機構に迫るため、光親和性クロスリンク法を用いて、γセクレターゼのプロテアーゼ切断に必要な基質との結合について解析してきた。具体的には、非天然アミノ酸(para benzoyl phenylalanine)の遺伝子取り込み法を用いて、分子中の任意の1アミノ酸をクロスリンク可能な側鎖を持つ非天然アミノ酸に置き換えたアミロイド前駆体基質を大腸菌に発現させ、C末端のHISタグにより精製した。その精製基質をγセクレターゼを含む細胞溶解液と混合し、インタクトな結合状態で光照射し、クロスリンクさせた。その後、変性条件下で複合体を解離し、HISタグを用いてプルダウンし、ウェスタンブロットを行った。
上記の方法での、γセクレターゼの基質結合部位の解析を通して、エクソサイトと呼ばれる触媒部位とは異なる結合部位を見出し、その部位の結合の様式を中心に研究してきた。エクソサイトへの結合にはアミノ酸配列の異なる基質を認識する柔軟性があることを示し、それを抑制する物質を発見し、抑制能を検証している。今後、その阻害物質についての研究をさらに進め、結合・抑制特性などの詳細を析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進んでいる。昨年度に、論文のドラフトの作成や学会発表などを行った。また学会発表などにおいて得られた意見を集約し、それらに答えられるような実験を組み検証を進めてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
さらなる阻害物質の探索やその化学修飾を行うなどを考えている。具体的には、エクソサイト結合部位を複数同定しており、これらの部位について一つ一つ変異体などを用いて解析する。また、見つけた抑制物質の結合阻害能について、異なるドーズで解析する。論文のドラフトをアップデートし、論文の投稿を目指す。また、学会発表なども積極的に行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究用消耗品を購入の際に、若干端数が出たため。なお、次年度に使用予定である。
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