2023 Fiscal Year Research-status Report
消化器官における糖代謝の調節因子としてみた1,5-AG機能の解明:加齢随伴性を念頭に
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23K10923
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大内 基司 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (20409155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 亜須可 獨協医科大学, 医学部, 助教 (30780902)
本間 知夫 前橋工科大学, 工学部, 教授 (80242246)
佐藤 慶太郎 明海大学, 歯学部, 准教授 (10549041)
安西 尚彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70276054)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 1,5-アンヒドログルシトール |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢により、膵臓のインスリン分泌能は低下することが知られている。また、加齢に伴い食後血糖値が上昇することも知られている。1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)は糖アルコールの一つで、臨床で血糖コントロールの指標として測定されている。最近、1,5-AGが加齢・老化に関わる代謝物の一つではないかと議論されているが、体内での1,5-AGの役割に関する報告は少なく、未だ不明な点が多い。本研究では、糖代謝における1,5-AGの影響を中心に検討する。その中で、消化管・膵臓を検討する対象臓器の中心に位置づけ、また加齢との関連を念頭に置き検討する。 2023年度では、消化管での1,5-AGの影響の有無を検討するため、マウスの摘出小腸を用いた反転腸管実験にて、1,5-AGの吸収様式および1,5-AGとD-グルコースの吸収における関係を検討した。本実験により、基本となるD-グルコースと1,5-AGの吸収を確認した。実験精度も十分に上がっており、小腸を分割し各部位別の吸収の違いについても検討し、1,5-AGの吸収部位の特徴についての情報が得られた。 血中1,5-AGを高濃度に維持した持続皮下投与モデル動物(マウス)における血糖およびインスリン値の変化を再度確認し、確証を得た。臓器ごとの検討に移行し、解析を継続中である。外分泌評価実験として、以前から実施しているオルガンバス実験と平行して、腺房細胞分離手法を膵臓に応用し、マウスの単離外分泌細胞にて分泌実験を行った。カルバコールによる外分泌誘導をポジティブコントロールとして実験手法の安定化を行い、条件検討を重ね当初より概ね改善出来ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
部分的にいくらか遅れた実験・解析もあるが、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、昨年度より継続している実験・評価を継続する。また、オルガンバス実験を始めいくつかの実験結果の評価により、1,5-AGの体内での役割の一端を明らかにできると考えられる。
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Causes of Carryover |
初年度となる2023年度の外分泌評価実験では、投与条件の設定をするため条件検討に終始した。またオルガンバス実験にて、刺激条件の確定に至っていない。そのため、支出が限定的であった。2024年度は、モデルから得られたサンプルを評価するための試薬および測定キット等を購入予定である。
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Research Products
(3 results)