2023 Fiscal Year Research-status Report
GADD34が細胞老化、個体老化を制御するメカニズムの解明
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23K10932
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
西尾 尚美 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (80513457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 健一 修文大学, 医療科学部, 教授 (20151441)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | GADD34 / MEF細胞 / インスリンシグナル伝達系 / 細胞老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでのGADD34に関する研究では、主に、GADD34 KOとWTマウスを用いてin vivoでGADD34欠損による機能低下や疾患発症の増加を確認し、GADD34が個体老化や老化関連疾患において抑制的な役割を果たしていることを確認してきた。本年度は、特にin vitroで細胞老化や細胞増殖におけるGADD34の役割を解明することを目的として、培養細胞でのGADD34の役割を検証した。 本研究の初年度に当たる本年は、GADD34 KOとWTマウスよりMEF細胞を作成し、passageの回数による増殖やシグナル伝達系の検討を行った。GADD34 KO MEFはWTに比べて増殖スピードが速いが、passage 5~6をピークにWTよりも増殖スピードが低下することが明らかとなった。このことはこれまでの研究で、GADD34 KOマウスでは若い頃亢進するインスリンシグナルが加齢に伴ってWTより低下して逆転する現象と類似している。さらにこの時の、インスリン刺激によるシグナル伝達系もpassage 5~6まではGADD34 KO MEF細胞で亢進しており、その後インスリン抵抗性を示した。また、passage が多いGADD34 KO細胞では、過酸化水素水添加によって細胞老化の指標となるSaβGALに染まる細胞数が増えており、細胞老化が促進していたことが示唆される。これらのことから、MEF細胞の培養系を用いることで、in vivoにおける機能低下や疾患発症を分子レベルで解明できる可能性が示唆された。 さらに、本年は細胞への遺伝子移入のシステムを構築するための予備的な実験を行い、次年度からはさらに詳細な解析を行う準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
これまでは、今まで作成したMEF細胞を使用していたが、本研究を始めるにあたり、新たにMEF細胞を作成することとした。しかし、埼玉大学でのMEF細胞の作成は初めてで、MEF細胞の作成及び培養システムの立ち上げに予定より時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
GADD34 KO及びWTマウスから作成したMEF細胞の各passage段階での細胞を用いて、インスリン刺激をはじめ、様々な刺激における代謝の変化を解析する。さらにGADD34遺伝子移入したHEK293細胞やHEPG2細胞を用いて、GADD34の過剰発現における細胞代謝を解析する。しかし、がん細胞と正常細胞では代謝が大きく異なる。従って、正常培養細胞へのGADD34遺伝子移入による過剰発現を目指し、解析したいと考えている。
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Causes of Carryover |
GADD34 KO及びWTマウスのMEF細胞作成に時間を要したため、研究全体が遅れて、GADD34遺伝子移入を行うに至らなかった。そのため、遺伝子移入の試薬は高額なため、その分の予算が大幅に減ってしまった。従って、次年度にGADD34遺伝子移入のために使用する。
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