2023 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム編集技術による、シリアンハムスターおよびラットにおける早期老化モデルの創出
Project/Area Number |
23K10935
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
椛嶋 克哉 京都大学, 医学研究科, 特定研究員 (30615422)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 雅秀 京都大学, 医学研究科, 教授 (50251450)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | ゲノム編集 / 老化モデル / シリアンハムスター / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
老化研究はとくに哺乳類を対象とする場合、小動物のマウスをモデルとしても、他の研究分野に比べて長い期間を要する。早期老化モデルは研究の加速化に有用であるが、哺乳類における早期老化モデルの多くはマウスに限られる。マウス以外にも様々な実験動物が存在し、それらは、その種独自の特性や、ヒトとの類似性等の利点から重用されている。本研究では、シリアンハムスターおよびラットにおいて、ゲノム編集技術を用いて新たな早期老化モデルを作出することを目的とする。 今年度はシリアンハムスターにおいて、マウスで短寿命となることが知られている遺伝子Aについてノックアウト(KO)個体の作出を検討した。遺伝子AのKOシリアンハムスターは、矮小化や短寿命等のマウスと共通した表現型を示すことが明らかとなった。一方、呼吸の異常のようなマウスにはない表現型もみられ、マウスよりも短寿命となる傾向が認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シリアンハムスターにおいて新たな早期老化モデルの作出に成功した。マウスにはない、シリアンハムスター独自の興味深い表現型も得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
CRISPR/Cas9を用いた受精卵ゲノム編集では、ファウンダー世代(F0)において、バイアレリックに変異が導入されたホモKO個体が高効率に得られる。一方、致死性遺伝子や不妊の系統においては、この高効率性が次世代の獲得において障害となる。遺伝子AのホモKOシリアンハムスター(F0)も交配では次世代が得られないため、顕微授精等の生殖補助技術の確立が求められる。もしくは、モノアレリックな変異の導入を促すことで、ヘテロKO個体を作出する必要がある。また、ラットについても早期老化モデルの作出を進める。
|
Causes of Carryover |
予想外に興味深い結果が得られたため、論文化を優先して進めたため残額が生じた。論文化に目途が立ったので、繰り越した額は延期した実験に使用する。
|