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2024 Fiscal Year Research-status Report

カキタンニン投与によるⅠ型糖尿病の発症予防効果と腸内細菌叢との関連

Research Project

Project/Area Number 23K10948
Research InstitutionKio University

Principal Investigator

栢野 新市  畿央大学, 健康科学部, 教授 (40412150)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 松村 羊子  畿央大学, 健康科学部, 教授 (80412154)
奥 尚枝  武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (90281518)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywordsタンニン / 高脂肪食 / 脂質代謝 / 腸内細菌層
Outline of Annual Research Achievements

渋柿の渋み成分であるタンニンは強い抗酸化性を有するため健康増進効果が期待されるが、これまで食品としてはほとんど利用されておらず、また摂取した際に生体に及ぼす作用についても研究は少ない。われわれはⅠ型糖尿病ラットを用いた動物実験において、タンニンが腸内細菌によって分解され、生成した低分子化合物が糖尿病によって傷害される肝臓の抗酸化システムを改善する可能性を見いだしている。またその際に同時にラットの腸内細菌叢が変化することから、タンニンがプロバイオティクスとして働くことが示唆されている。本研究では、渋柿より精製した高濃度タンニン粉末を対象とし、生体に対して機能性を発現する際に腸内細菌が関与するメカニズムを明らかにすることを目的としている。また同時に、タンニンがプレバイオティクスの働きを有し、腸内細菌叢に有用な変化をもたらすかどうかについても検証する。
2023年度においては高脂肪食ラットに対して高濃度タンニン粉末を投与し、その影響について検討を行った。その結果、高脂肪食ラットにおいてはⅠ型糖尿病ラットのような肝臓における抗酸化システムの障害が発生しておらず、抗酸化機能の回復効果は認められなかった。一方、高脂肪食による肝臓コレステロール含有量の増加、および脂肪滴の増加がタンニン投与によって有意に抑制されることが認められた。
2024年度においては、前述の動物実験における腸内細菌叢の変化について検討した。その結果、高濃度タンニン粉末は腸内細菌叢に有意な変化をもたらし、多様性の増加、バシロタ/バクテロイドータ比の低下、アッカーマンシア属およびバクテロイデス属の相対的存在量の増加が認められた。
以上の結果より、高脂肪食ラットにおいて引き起こされる肝臓での脂質代謝異常がタンニンの投与によって改善されることが示唆された。また同時に腸内細菌叢に対して有益な変化をもたらすことも確認された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

試料をこれまでの研究で使用していた干し柿の不溶性画分(抽出残渣)から、渋柿から精製された高濃度タンニン粉末に変更した。さらにⅠ型糖尿病ラットを通常のラット+高脂肪食に変更して動物実験を行った。その結果、高脂肪食による肝臓の脂質代謝異常が改善されたことから、タンニンが生活習慣病の予防に対しても有用である可能性が示唆された。また同時に腸内細菌叢に対しても有益な変化をもたらすことが確認されたため、これらの関連についても検討を行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

タンニンを投与した高脂肪食ラットにおける腸内細菌叢の変化を統計的に解析し、タンニンがプロバイオティクスの働きを有する可能性について評価するとともに、肝臓の脂質代謝異常の改善との関連について検討する。またタンニンの投与によって増加した菌種を特定し、その菌株を購入する。この菌株を用いてIn vitroにおけるタンニンの資化試験を実施し、タンニンを分解する腸内細菌の菌種を明らかにするとともに、生成するタンニン由来の低分子化合物の構造を明らかにする。またこれらの低分子化合物の機能性を評価し、タンニンが生体に対して有用性を発現するメカニズムの一端を明らかにする。

Causes of Carryover

経費の節約、および一部の実験の実施遅延のため

URL: 

Published: 2025-12-26  

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