2023 Fiscal Year Research-status Report
Bayesian Prediction Theory and Information Geometry for Non-regular and Quantum Statistical Models
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23K11006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 冬彦 大阪大学, 全学教育推進機構, 教授 (90456161)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 情報幾何 / 非正則モデル / Edgeworth展開 / OTEFモデル / 漸近展開 |
Outline of Annual Research Achievements |
正則モデルの漸近理論でEdgeworth展開は基本的なツールであるが、その展開係数は情報幾何学的な量で表すことができる。そのため、数理統計的な推測の問題とモデルのもつ幾何学的な性質を結びつけることができる。本研究では非正則モデルとして切断指数型分布族(oTEF)をとりあげ、同様の議論について先行研究を詳細に調べた。情報幾何的な側面をのぞくと先行研究自体は古くからあり、ある程度、蓄積している。R5年度はこれらについて文献収集と内容について精査した。 また、Cencovの定理が適用できないが主にベイズ統計との関連から望ましい幾何構造をある程度、定めることができる。oTEFモデルでは、対数尤度によるe表現の洞察によりリーマン計量を定義でき、最尤推定量の漸近分散などとも整合性がある。一方、接続の定義には形式的に複数の可能性が存在しうる(正則モデルの場合、両者は一致する。)そこで、本研究ではstatistically equiaffineと呼ばれる性質に注目した。これは、かなりラフに述べるとある種の一様分布の存在を保証し、幾何学的に望ましい性質である。ところが非正則モデルの場合、先行研究にあるようにアファイン接続の1パラメータ族を定義すると、上の性質をうまく定義できなくなる。oTEFモデルは非正則パラメータを固定すると指数型分布族になりstatistically equiaffineである。oTEFモデルは指数型分布族の自然な拡張だから、statistically equiaffineという性質が拡張定義できる方が望ましい。そこで、oTEF上の接続の1パラメータ族としてe接続とLevi-Civita接続の混合接続を定義とした。このことからoTEF上ではα平行事前分布の存在も直ちに示せる。副産物としてGhosalたちの導出したreference 事前分布とも一致することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、非正則モデル、特にOTEFモデルにおけるベイズ予測に関する研究・調査は次年度に回したが、当該年度において、先に研究に必要となる非正則モデル上でのEdgeworth展開に関する調査を完了させることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
非正則モデル、特にOTEFモデルにおけるベイズ予測に関する研究・調査を進める。
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Causes of Carryover |
PCや周辺機器などの物品購入を翌年度に回すことにしたため。
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