2023 Fiscal Year Research-status Report
Research on imputation methods for missing values in real world data
Project/Area Number |
23K11011
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
阿部 貴行 京都女子大学, データサイエンス学部, 教授 (10594856)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | リアルワールドデータ / 欠測値 / 多重補完法 / multiple imputation / 生物統計学 / 複雑データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトでは,実際のリアルワールドデータの分析で直面する欠測値の問題へのより良い対処法の提言を目的とする.欠測データへの対処法としては,複雑なデータ構造を含む様々な場面で適用可能な多重補完法に焦点を当てる.具体的な課題としては,(1) 共変量の欠測への補完,(2) マルチレベル構造をもつデータへの補完,(3) アウトカムがレア事象など非正規分布データへの補完の3つを計画している.初年度は,3つの課題ごとに手法を整理し,実際のリアルワールドデータを想定した状況下で適切な多重補完法の適用法を検討することを計画していた. 初年度の実績概要を以下にまとめる.まず,国内外の研究協力者と研究打ち合わせを行い,近年の多重補完法の最新の研究や実データの解析に使用するリアルワールドデータに関する情報を収集した.特にロンドン大学衛生熱帯医学大学院医療統計学のCarpenter教授と打ち合わせを行い,同教授が2023年に出版した書籍(Carpenter et al. (2023) Multiple Imputation and its Application. 2nd edition. Wiley.)について議論した.また,2024年度には,当該書籍の日本語翻訳を研究代表者らが行うことを決定した.多重補完法に関して,世界で最も整理された書籍の1つであるため,丁寧な翻訳を行い,本邦の研究者に対して有益な情報提供を行う計画である.一方,ミネソタ大学公衆衛生大学院生物統計領域に滞在し,Connett教授ら教授陣とリアルワールドデータの統計解析と欠測値への補完に関する実際について意見交換した.米国で行われている最新の臨床研究についても情報を収集した.これらの議論に基づき,本年は数件の学会発表(統計学,データサイエンス分野)および論文投稿を行い,本プロジェクトの中間報告を行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトについて,初年度は,リアルワールドデータの分析における欠測値補完について,国内外の生物統計学および臨床医学の研究協力者との意見交換を通じて,当該研究領域の最新情報を収集し整理することを主たる目標とした.特にロンドン大学衛生熱帯医学大学院医療統計学のCarpenter教授およびミネソタ大学公衆衛生大学院生物統計領域の教授陣(Connett名誉教授ら)との議論を通じて,当該研究領域で実際の現場で問題となっている事柄や最新の研究に関する有意義な情報収集を行なった.一方,複数の臨床医ともリアルワールドデータに関する意見交換を行い,臨床における欠測データの典型的な問題を整理した.ロンドン大医療統計学のCarpenter教授の多重補完法の書籍についても翻訳することを決定した. 初年度は情報収集および整理といったインプットを主に行なったが,臨床データの統計解析に関する論文(3件)と統計学の方法論に関する論文(1件)が採択され,関連する8件の研究発表(学会6件,講演2件)を行なった.本プロジェクトのテーマの1つである非正規分布データに関する研究について,共著発表者の大学院生が日本計算機統計学会第37回シンポジウムにおいて学生研究発表賞(植村直紀,阿部貴行.Counting process 型の再発生存時間データに対する restricted model について.)を受賞した.また,ヘルスデータサイエンス学会第2回学術集会では,精神科領域の臨床レジストリデータの欠測値への対処法に関する探索的な方法もポスター発表にて提案した.
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Strategy for Future Research Activity |
本プロジェクトの2年目は,リアルワールドデータの分析における欠測値補完について,国内外の研究協力者との意見交換を継続して,研究をブラッシュアップする.研究成果の一部は,8月のアメリカ統計学会の年会であるJoint Statistical Meetings (JSM)にて口頭発表(Hirano and Abe. (2024) A simulation study of multiple imputation methods applied to missing covariates in meta-regression. Joint Statistical Meetings at Portland.)し,論文化する計画である.ロンドン大学のCarpenter教授の書籍(Carpenter et al. (2023) Multiple Imputation and its Application. 2nd edition. Wiley.)については,翻訳作業を進める.また,本研究費の成果は,2024年度統計関連学会連合大会(8月)での口頭発表や国内の学術雑誌(オペレーションズ・リサーチ)への寄稿でも公表計画である.
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Causes of Carryover |
今年度は,旅費については,海外研究機関訪問および成果発表の学会発表などでほぼ計画通りに支出したが,情報の整理やデータ入力のためのアルバイトを雇用することができず,人件費・謝金などを計画通りに支出できず次年度使用額が生じた.2年目は,アルバイト雇用などを計画的に行い情報整理やデータ入力などを行い,計画通りに研究費を有効活用する計画である.
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[Journal Article] Real-world efficacy and safety of advanced therapies in hospitalised patients with ulcerative colitis.2023
Author(s)
Naganuma M, Kobayashi T, Kunisaki R, Matsuoka K, Yamamoto S, Kawamoto A, Saito D, Nanki K, Narimatsu K, Shiga H, Esaki M, Yoshioka S, Kato S, Saruta M, Tanaka S, Yasutomi E, Yokoyama K, Moriya K, Tsuzuki Y, Ooi M, Fujiya M, Nakazawa A, Abe T, Hisamatsu T
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Journal Title
Journal of Gastroenterology
Volume: 58
Pages: 1198-1210
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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