2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K11022
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
船渡川 伊久子 統計数理研究所, 統計基盤数理研究系, 准教授 (80407931)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 経時データ解析 / 自己回帰 / 線形混合効果モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、経時データの解析手法を拡張し、長期の統計指標のマクロパネルデータの解析に適応することを目的とする。特に、ダイナミックモデルである自己回帰線形混合効果モデルの拡張、複数分野における経時データ解析手法の融合を目指す。本年度は主に、(1)複数分野の融合、(2)長期の統計指標に関し、以下の研究を行った。 (1) 経済学や心理学をはじめとした隣接分野において、自己回帰線形混合効果モデルと同様に、以前の反応の項を右辺に含んだ、類似のダイナミックモデルについて研究を行った。これらの分野では、経時データ解析やパネルデータ分析は現在活発に研究開発されている。自己回帰線形混合効果モデルに関しては2000年代から研究開発を行っており、隣接分野でも引用されていることが分かった。また、自己回帰項を含んだダイナミックモデルは多方面でのモデルの拡張が行われており、体系化の試みも進んできている。自己回帰線形混合効果モデルは、反応の経時変化を表すことを主眼に開発してきたが、分野によっては、以前の反応で調整(コントロール)すると捉えている。また、分野によって、観測されない個体に固有の性質をコントロールするという考えを強調することも多い。今後、複数の考え方の存在も整理していきたい。 (2)長期の統計指標の推移に関しては、死亡率などに関して学会誌に総説論文で発表を行った。また、日本人女性の出生に関する指標の長期的な推移に関して口頭発表を行った。タイムラグが長期の場合や、非単調な変化などが見られ、今後の解析の基礎として役立てる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関連分野での類似モデルについての研究が進んでおり、この点はおおむね順調に進展している。長期の統計指標のマクロパネルデータの解析については、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き関連分野の類似のモデルについて比較を行い、ダイナミックモデルである自己回帰線形混合効果モデルの拡張、複数分野における経時データ解析手法の融合を目指す。長期の統計指標のマクロパネルデータの解析に関する検討を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は国際学会での発表を行わなかったため、次年度使用額が生じた。次年度は、学会参加、パソコンや書籍購入などに使用する。
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[Journal Article] 疫学分野での計量生物学の発展2024
Author(s)
田栗 正隆, 高橋 邦彦, 小向 翔, 伊藤 ゆり, 服部 聡, 船渡川 伊久子, 篠崎 智大, 山本 倫生, 林 賢一
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Journal Title
計量生物学
Volume: 44
Pages: 129~200
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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