2023 Fiscal Year Research-status Report
Cross-Layer Energy Optimization with Adaptive Control for Ultra-Low Power IoT Sensor Nodes
Project/Area Number |
23K11026
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
筒井 弘 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (30402803)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | IoT / LoRa / LPWA / GPS / LDPC / FEC / 無線通信 / 環境センシング |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) LoRa通信のパラメタ適応制御技術,(2)バッテリーによる長時間環境モニタリングのための適応制御技術,について,各種モデル化に取り組んだ. LoRa通信のパラメタ適応制御技術については,各通信パラメタにおけるPDR (packet delivery rate)をモニタリングし,時間変化を調査した.休日と平日でPDRが異なること,また,ある時刻になるとPDRが変化する場合があることなどを確認した.加えて,誤り訂正(FEC: forward error correction)にLDPC (low-density parity-check code)を導入し,その性能を評価した.LoRaではハミング符号が用いられるが,より高い誤り訂正能力を有するLDPCを用いることによりPDR向上を見込むことが可能であり,これにより消費エネルギーの低減が可能となる. バッテリーによる長時間環境モニタリングのための適応制御技術については,環境センシング向けIoTデバイスを試作し,実デバイスを用いて静的電力とセンシング時にのみ消費する動的電力のモデル化を行い,センシング間隔とバッテリー駆動時間の関係を明らかにした.IoTデバイスは協力機関であるシドニー工科大学(University of Technology Sydney)にて開発されたマイコンボードを拡張したものであり,Micro SDカードへのデータ保存機能とCO2濃度測定機能が追加されている.長時間環境モニタリングの対象としては,CO2濃度,温度,湿度,気圧をモニタリングする場合と,GPSモジュールを用いた位置情報の取得を想定し評価を行った.前者については,実際に野菜のコンテナ海上輸送におけるコンテナ内環境モニタリングを実施し,その結果をISCIT2023国際会議にて国際共著論文として発表した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LoRa通信のパラメタ適応制御技術については,PDR (packet delivery rate)に時間変動が存在することを確認したが,変動に規則性は確認できなかった.これについてはRSSI (received signal strength indicator)を用いてパラメタ適応制御を行うことを検討している.誤り訂正(FEC: forward error correction)についての検討は2年目以降に実施する予定であったが,1年目に先行して実施することができた. バッテリーによる長時間環境モニタリングのための適応制御技術については,実デバイスを用いて具体的に静的電力とセンシング時にのみ消費する動的電力をモデル化し,センシング間隔とバッテリー駆動時間の関係を明らかにした.また,実アプリケーションを利用した実験を通じて各種データを収集した.当初予定どおり順調に進展していると考える.
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度で得られた結果をもとに適応制御技術の確立を目指す.各種モデルに加え,実アプリケーションを利用した実験を通じて得られた結果をフィードバックとして統合し,精度向上ならびに超低消費電力化を目指す.加えて,データ圧縮や通信のセキュリティの側面も考慮することを検討する.また,通信については再送(ARQ: automatic repeat-request)や誤り訂正(FEC: forward error correction)も重要なパラメタであり,通信状況ならびに消費エネルギーに強く影響する.FECについてはLDPCの導入を既に検討しているが,現状では計算コストが評価に含まれておらず,より現実的な評価を進めることを計画している.
|
Causes of Carryover |
研究開始年度である初年度は当初計画では1,150,000円の物品費支出を予定していたが,国際会議での研究成果発表ならびに協力機関との打ち合わせのための海外出張旅費として807,819円の支出が必要となった.そのため,物品についてはできる限り既存現有のものの利用を継続し,物品費は電子部品等の消耗品の購入に留めた.結果として,91,055円を次年度に繰り越すこととなった. 次年度の当初計画では,物品費150,000円,旅費350,000円,その他100,000円を予定しており,物品費は消耗品の購入,旅費は成果発表のため,その他は研究集会参加費として利用する.次年度使用額である91,055円は主に物品費として電子部品等の消耗品の購入に充てる予定である.
|