2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Design Automation Techniques for Integrated Circuits Using Quantum Annealing
Project/Area Number |
23K11036
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
小平 行秀 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授 (00549298)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 集積回路の設計自動化 / レイアウト設計 / マスク設計 / 量子アニーリング / イジングマシン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,集積回路設計の中の特にレイアウト設計とマスク設計の工程において,2値の2次計画問題を高速に解く量子アニーリング計算機やそれを古典コンピュータで模擬的に実現するイジングマシンを用いて,面積,消費電力,歩留まりなどの性能の良い設計を短時間で得る自動設計技術を開発することが目的である. 本年度は,マスク設計工程において,イジングマシンを用いたマスク最適化手法に取り組んだ.マスク最適化問題では,2次計画問題における2値変数の多さと,2値変数の値を決定する際に影響を及ぼしあう2値変数間の相互作用の多さから,量子アニーリング計算機よりGPUを用いたイジングマシンの方が適していると考察した.そこで,イジングマシンを用いて,マスク最適化問題を2値の2次計画問題に定式化し,イジングマシンを繰り返し適用することで,既存の手法よりウェハ上に形成されるパタン形状の忠実性が良く,プロセスばらつき耐性が高いマスク形状を得る手法を開発した. また本年度は,量子アニーリング計算機やイジングマシンで用いられるペナルティ関数法において,適切なペナルティ重みを決定する手法を検討した.量子アニーリング計算機やイジングマシンでは,問題の制約を直接扱うことができない.そのため,制約を満たすときのみ最小値を取るペナルティ関数とペナルティ関数に対するペナルティ重みによって制約を目的関数に組み込むペナルティ関数法と呼ばれる手法が用いられる.このとき,ペナルティ重みを適切に与えなければ制約を満たす解が得られない.そこで,イジングマシンにおける最適化のループ回数や各制約の違反状況によってペナルティ重みを調整する手法を開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,イジングマシンを用いたマスク最適化手法に取り組んだ.マスク最適化は,集積回路設計における他の問題と同様,2値変数が多く,2値変数間の相互作用も多いという特徴がある.本年度の大規模な問題に対する取組結果は,今後扱う他の問題へ応用可能であると考えている. また,本年度は,ペナルティ関数法において,適切なペナルティ重みを決定する手法を検討した.集積回路設計における多くの問題は制約が課されるため,ペナルティ関数法を適用する必要がある.本年度のペナルティ重みの決定方法に関する検討結果は,今後扱う他の問題へ応用可能であると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に検討した手法により,制約を含む大規模な問題に対して量子アニーリング計算機やイジングマシンを適用することが可能となった.今後は,当初の計画通りに集積回路設計に関連するより実用的な問題への適用を検討する.
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