2023 Fiscal Year Research-status Report
Study on efficient resource allocation in OFDMA for improving QoE in IoT/CPS
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23K11092
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
田村 瞳 福岡工業大学, 工学部, 准教授 (30423601)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | IEEE802.11ax / OFDMA / OFDM / RU (Resource Unit) / トーン数割当 / フレーム集約 |
Outline of Annual Research Achievements |
NS-3シミュレータを用いて,1台のIEEE802.11ax準拠無線LANアクセスポイント(AP)に対して1台~9台までの複数の無線子機(Station,STA)が接続し,同時にCBR/UDPトラヒックをフルレートで送信するダウンリンク通信を行う場合のシミュレーションを実施した.2次変調方式としてOFDMとOFDMAを適用した場合に,STA台数に対してスループットを最大化する同時接続台数が存在すること,さらに,フレーム集約数が異なる場合にスループットを最大化する同時接続台数が変化することを明らかにした. また,実機実験を通して,複数STA接続時に,特性が異なるトラヒックによるダウンリンク通信を行った場合,OFDMとOFDMAによって,平均スループットやスループットの標準偏差が異なることを明らかにした.CBR/UDPでのフルレートの通信時はSTA台数が2, 3台のときだけOFDMAが有効であり,それ以外のSTA台数ではOFDMの方が優れたスループット特性を示すことがわかった.さらに,Voiceトラヒックのような低レートのトラヒックに対してはOFDMAを適用することで安定的な通信が可能であることを示した.また,実機実験とシミュレーション評価によって,IEEE802.11ax無線LANにおけるダウンリンク通信の性能が実機とシミュレーションでどの程度の差があるかを検証した. 以上より,フレームサイズ,STA台数に対して,OFDMAにおける適切なRU(Resource Unit)トーン割当が可能となるように,強化学習を用いたトーン割当手法を検討している.無線LAN内のSTA数,フレームサイズ等を環境として定義し,変化させる状態として各STAへ割り当てるRUトーン数を与えることによって,最適なRUトーン数を導出できるか検証中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実機実験とNS-3を用いたシミュレーション評価によって,IEEE802.11ax無線LANにおけるダウンリンク通信の性能が実機とシミュレーションでどの程度の差があるかを検証した.STA数によっては,スループット特性に大きな差がある場合もあったが,大きな差がないことから,今後はNS-3によるシミュレーション評価を主として行っていくこととした.さらに,無線LAN内で交換されるフレームサイズや存在するSTA台数に対して,OFDM,もしくは,OFDMAのどちらが適切であるか,OFDMAにおけるRUトーン割当がどのように変化するかをシミュレーションによって明らかにし,さらに,トラヒック特性によって適切なトーン割当が異なることを実機実験より明らかにすることができたため,これをベースにトラヒック種別やフレームサイズに適したRUトーン割当手法の詳細を検討するために活用することが可能である.
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Strategy for Future Research Activity |
実験やシミュレーション評価を通して,IEEE802.11ax準拠無線LAN内で交換されるフレームサイズ,LAN内に存在するSTA台数に対して,OFDMAにおける適切なRU(Resource Unit)トーン割当が可能となるように,強化学習を用いたトーン割当手法を検討している.無線LAN内のSTA数,フレームサイズ,トラヒック特性を環境として定義し,変化させる状態として各STAへ割り当てるRUトーン数を与えることによって,最適なRUトーン数を導出できるアルゴリズムを検討している.さらに,NS-3シミュレータ内で,RUトーン割当数を指定することが可能であるか,可能でなければ,ソースコードを修正することを検討している.トーン割当アルゴリズムを確立した後,NS-3シミュレータにアルゴリズムを実装し,様々なトラヒックを生成したり,実環境においてキャプチャしたトラヒックを入力したりして,通信性能の評価を実施する予定である.
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Causes of Carryover |
2023年度は,研究室においてNS-3シミュレータのノウハウが蓄積されておらず,NS-3の環境整備や使用方法を学ぶところからスタートした.よって,シミュレーション評価を行うことができる学生数が少なかったため,機材の購入を次年度以降の必要になった時期に遅らせる決断をした.さらに,強化学習や機械学習のスキルを持つ学生もいなかったため,2023年度はその勉強を行うことに重きを置いた.2024年度以降にシミュレーション評価や強化学習・機械学習のスキルが向上した学生によって提案手法の評価を行う予定としており,機材調達や謝金,学会発表のための出張費を2024年度以降に支出予定と考えている.
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