2023 Fiscal Year Research-status Report
複数フレームにわたる物理層情報の共有による無線通信の信頼性向上
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23K11094
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
玉井 森彦 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 適応コミュニケーション研究所, 主任研究員 (90523077)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 無線LAN / 物理層情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,無線環境下における物理層情報の取得に必要となるセンシングのためのソフトウェア基盤の構築と,構築したソフトウェアを用いた,実屋内環境下における無線LAN機器間の通信時の物理層情報の実データ収集を行った.提案方式の実現のためには,ソフトウェア無線デバイスを用いて取得された物理層情報を高精度に抽出できる必要がある.特に,ノイズを含むIQ信号中に存在する無線フレームが,IQ信号のどのサンプル位置から開始されているのかを高精度に決定することは重要であり,その点について既存方式の改良を行った.また提案方式では,無線フレームに含まれるMAC層プロトコルのヘッダ情報を参照し,特に,送受信端末のアドレス,およびフレーム再送処理に関する情報の取得を行う必要がある.これに関して,既存の方法では多数のフレームが送受信される環境下においてバッファオーバーフローが発生し,適切に情報抽出を行うことが困難となっていた.この問題について,パケットキャプチャ用のソフトウェアの性能改善を行い,多数のフレームをキャプチャする必要がある高負荷環境下でも,情報抽出処理を継続的に行えるようにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提案方式における機械学習の訓練データ取得に必要となるセンシング処理に関して,実環境上で取得されたデータに基づき,情報抽出精度の向上,処理負荷の低減を行い,実環境上で得られるデータの処理の実現性について一定の見込みが得られたため.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,本年度での実環境下での実験によって得られたデータをもとに,機械学習のモデル構築のためのデータの加工や使用する機械学習モデルの選定等を行うとともに,その実現に必要なソフトウェアやツール等の実装を進める.
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Causes of Carryover |
SDRデバイスの同期に必要な機材が想定より高騰しており,必要な機能等の見直しを行ったため.
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