2024 Fiscal Year Research-status Report
Physical Layer-based Cryptographic Key Management and Data Reliability Assurance for Smart IoT Environments
| Project/Area Number |
23K11103
|
| Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
蘇 春華 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授 (40716966)
|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 幸一 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (60264066)
|
| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
| Keywords | 物理層セキュリティ / IoTセキュリティ / アクセス制御 / データ信頼性の基盤 / プライバシ保護 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、スマート化が進行するIoT環境に対し、物理層特性を活用した暗号鍵管理およびデータ信頼性の確保を中核に据え、セキュリティとプライバシ保護の両立を図る実践的アプローチを展開した。具体的には、無線通信チャネルの雑音・フェージング・時変性といったランダム性を鍵生成に活用することで、事前共有鍵や集中管理に依存せずに動的かつ軽量な鍵再生成を実現可能とする設計原理を提案した。 さらに、Federated Learning(FL)における通信コスト・精度・プライバシのトレードオフを解消するため、階層的集約構造や水印技術、差分プライバシ制御戦略、モデル劣化の抑制手法などを開発し、実環境での適用性を検証した。IoT応用分野として、工場、医療、UAV、スマートホーム等におけるアクセス制御および認証プロトコルの設計を進め、ブロックチェーンや検索可能暗号、Explainable AIと統合した応用事例も提示した。 令和6年度は、IEEE IoT Journal、TIFS、TETCなどトップジャーナルを含む20件以上の成果を国際発表し、理論・設計・実装・評価の全フェーズにわたって大きな進捗を達成した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、IoT環境における物理層特性を利用した鍵管理方式と、信頼性の高いデータ流通の確立を目的としており、当初の計画に沿って着実に進行している。令和6年度は、複数の実証シナリオ(産業用IoT、ウェアラブル、UAVなど)を対象としたセキュリティプロトコルの設計と評価を行い、20件以上の国際論文・国際会議論文として成果を発表した。物理層鍵生成に関しては、変動チャネル下での適応的鍵再生成手法を提案し、実装とともに性能検証も実施済みである。また、フェデレーテッドラーニングに関しては、通信効率とプライバシ保護の両立を目指した階層型集約手法の最適化や、差分プライバシの制御戦略、説明可能性の向上も図っており、当初の計画以上に発展的な展開が見られている。今後は、物理層セキュリティとAIベースの動的防御メカニズムをさらに統合し、現実のスマート環境への適用性検証を進める予定である。
|
| Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに得られた物理層鍵生成・再生成技術を基盤として、動的なチャネル変化への高適応性を持つ軽量プロトコル群の実装に注力する。特に、UAV・スマート工場・医療機器等の応用現場を想定し、実環境下での通信遅延・パケット損失などの課題を考慮した耐故障性評価を実施する予定である。また、フェデレーテッドラーニング環境におけるモデルWartermark技術や、説明可能AI(XAI)を活用した異常検知の高度化も進め、セキュリティ運用における信頼性と透明性を両立させる。さらに、物理層セキュリティとAIベースの意思決定支援技術を融合させることで、サイバー攻撃に対するリアルタイムな対応能力を備えた統合的セキュリティ基盤の構築を目指す。国際共同研究の枠組みを活用し、多様なIoTシナリオでの汎用性と展開性を検証しながら、標準化への貢献も視野に入れて研究を推進していく。
|
| Causes of Carryover |
本年度は当初計画していたIoT実証環境の一部構築において、関連機材の納品遅延や、円安等による価格変動を受け、機器選定と調達の一部を見送る判断を行ったため、次年度使用額が生じた。次年度は、繰越額を用いて実環境下での鍵管理手法と異常検知アルゴリズムの統合評価を行う。さらに、フェデレーテッドラーニング環境における異種IoT端末との連携試験、ならびにセキュリティ性能の可視化ツールの開発にも繰越予算を活用する計画である。併せて、国際共同研究における対面打合せや共同実験実施のための旅費・謝金にも充当する予定である。
|