2023 Fiscal Year Research-status Report
大規模アンサンブル計算における統計量のリアルタイムIn-Situ可視化
Project/Area Number |
23K11130
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
河村 拓馬 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究副主幹 (90718248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 雄太 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (10851016)
小野寺 直幸 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (50614484)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | GPUスーパーコンピュータ / アンサンブルシミュレーション / 統計量可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
シミュレーションによる予測能力を高めるために、初期値にランダム誤差を加えて計算した複数シミュレーションのデータ(アンサンブルデータ)を利用したデータ同化が着目されており、アンサンブルデータの統計量を可視化する技術が必要とされている。また、大規模シミュレーションの可視化には、I/Oボトルネックを避けシミュレーションと同時に可視化を行うIn-Situ可視化が重視されている。しかし、アンサンブルデータの集約が大域通信とメモリ圧迫を発生させるため、大規模なアンサンブル計算の統計量可視化が困難である。 本研究の目的は、大規模なアンサンブルデータの代わりに圧縮された可視化用データを利用して統計量の計算・可視化が可能な手法(アンサンブルPBVR)を開発することである。 粒子ベースの可視化手法PBVRは計算結果のボリュームデータをモンテカルロ法で可視化用の粒子データに変換して、それを画面に投影して画像生成する。PBVRは投影処理を繰り返して平均処理しピクセル値を計算する。アンサンブルPBVRはこの処理をアンサンブル向けに拡張する。 アンサンブルPBVRを利用して、コストの高いノード間通信やメモリ圧迫のないIn-Situアンサンブル可視化フレームワークを構築することである。開発したフレームワークを汚染物質拡散解析のための都市風況解析コードに適用する。そしてGPUスパコン上でシミュレーション及び可視化処理の全体性能を計測し、リアルタイム可視化が実現できることを明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は研究実施計画の研究項目1:「アンサンブルPBVRの開発」を実施した。目標であるアンサンブルデータを可視化データで統計情報を計算する技術に関して、粒子をノード間でシフトする技術により実現できたため、進捗は順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、研究項目2:「アンサンブルPBVRのIn-Situ化」を推進し、GPUスパコン上でアンサンブル流体計算に適用する予定である。
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Causes of Carryover |
開発しているアンサンブル可視化手法が想定よりも高速に動作したことで、当初計画よりもスパコン使用料を節約することができたため、差分が次年度使用額として生じることとなった。次年度使用額は、次年度分研究費と合わせて、より大規模なプロダクションランに係る費用として使用する。
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