2023 Fiscal Year Research-status Report
IoTデバイスへの生理心理的な『さりげない反応』インタフェースの開発
Project/Area Number |
23K11181
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小俣 昌樹 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60402088)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | さりげない反応 / 眼電図 / IoT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,IoT(Internet of Things)デバイスからの情報呈示へ,ユーザが気づきや目配せなどで『さりげなく反応』した状態を生理信号から自動推定してフィードバックするユーザインタフェース(UI)の有用性を示すことである.このUIによって,近年のIoTデバイスの急速な普及における,デバイスへ応答するためにユーザの認知的・身体的負荷が増加してしまう問題を解決する. 当該年度では,スマートフォンの通知音が発生したとき,画面タップなどによる直接的な操作以外の方法で応答する手段のひとつとして,動画を見たり文章を朗読したりしている最中のユーザが無意識的に通知音へと目を向けるときの眼電図が使用可能かを実験によって検証した.その結果,通知に対して無意識に反応する程度の動きによる眼球運動や瞬目などによる眼電図では,ユーザが通知音に反応したことを判別することは難しいとわかった.一方,通知に対して意識的に注視することを指示した場合,その反応を判別できることがわかった.あわせて,ユーザの眼球の上下に電極を装着する方が,左右に装着するよりも高い精度で反応を判別できることがわかった.これらの結果から,ユーザの意識的な注視などの眼球運動から生じる眼電図は,本研究の目的の「さりげない反応」を検出する生理信号のひとつとして有効であると考える. 今後,この実験手法および実験結果を踏まえたうえで,他の刺激モダリティ(光,香りなど)や他の生理信号(脈波,呼吸運動など)の調査へと発展させていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書に当該年度の計画として示した記載事項を概ね実施したと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,研究計画調書の計画に沿って研究を推進する予定である.複数モダリティの組み合わせについての設計が重要になるため,先行研究を調査しながら,本研究に有効な組み合わせとその反応の記録方法およびその検証実験を検討する.
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Causes of Carryover |
(理由)同機能の範囲で安価な物品を選択したため,および,成果発表の国際会議が現地とオンラインのハイブリッド開催となりオンラインで参加したため,計画当初よりも経費節約が図れたことが理由と考えられる.次年度使用額の発生は適正な範囲であると考える. (使用計画)研究計画調書の記載に沿った研究計画の遂行を引き続きおこなう.
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