2023 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of a Novel Optimizer in Variational Quantum Eigensolver by Applying Evolutionary Computation
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23K11220
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
飯村 伊智郎 熊本県立大学, 総合管理学部, 教授 (50347697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 賀文 熊本県立大学, 総合管理学部, 教授 (10413866)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 変分量子固有値法 / 進化的計算 / オプティマイザ / 量子機械学習 / NISQ |
Outline of Annual Research Achievements |
【具体的内容】 令和5年度(2023年度)は,交付申請書の目的を達成すべく次項を検討した.まず,これまでの変分量子固有値法(VQE)での古典計算におけるオプティマイザに対して,多点探索を行う進化的計算(EC)手法をどのように適用していくかを,群知能(SI)の1つである人工蜂コロニー(ABC)アルゴリズムを対象に,Julia言語での実装を想定して設計した.設計後は,量子アルゴリズムデザインのためのJuliaライブラリであるYaoを用いて計算機に実装し,ごく簡単な組合せ最適化問題(COP)を対象にその動作に誤りがないかを検証し,アルゴリズム的に正しい動作が保証されるまでこの検証を繰り返した.アルゴリズム的に正しい動作が確認できたため,次に,代表的なCOPの1つである数分割問題(NPP)をまずは具体的な対象問題として,複数回の計算機実験を重ね,VQEに対するABCアルゴリズムの適用可能性を検証した.計算機実験の結果,ABCアルゴリズムをオプティマイザとして適用した新たなVQEにおいて,COPの1つであるNPPを解くことが可能であることを確認できた.また,小規模なNPPを対象とした場合,試行波動関数(ansatz)は単純なもので解くことができることがわかった.上記の成果は,国際会議NCSP'24にて発表した. 【意義,重要性等】 本年度の設計を計算機に実装し,複数回の計算機実験を行った結果,EC手法の1つであるABCアルゴリズムをオプティマイザとして適用した新たなVQEにおいて,COPの1つであるNPPを解くことが可能であることを確認できたこと,そして小規模なNPPを対象とした場合,ansatzは単純なもので解くことができることを確かめられたことは,本研究において重要な知見が得られたことに値し,今後の研究において意義のあることであると考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度(2023年度)の研究実施計画は次のとおりであった. これまでのVQEでの古典計算におけるオプティマイザに多点探索を行うECをどのように適用していくかを,SIの1つであるABCアルゴリズムを対象にJulia言語での実装を想定して詳細に設計する.設計後は,量子アルゴリズムデザインのためのJuliaライブラリであるYaoを用いて計算機に実装し,ごく簡単なCOPを対象にその動作に誤りがないかを検証し,アルゴリズム的に正しい動作が保証されるまでこの検証を繰り返す.その後,代表的なCOPの1つであるNPPをまずは具体的な対象問題として,複数回の計算機実験を重ね,VQEに対するABCアルゴリズムの適用可能性を検証する.上記成果に関しては,令和5年度内に学会で発表する. 先に述べた「研究実績の概要」から,本年度実施した研究は,上記の研究実施計画に従っておおむね実施できたと考える.このことから,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度(2024年度)は,前年度に得られた成果を振り返り,VQEの量子計算におけるansatz,そして古典計算におけるABCアルゴリズムのハイパーパラメータの調整等を行うべく,VQEの挙動を詳細に解析し,探索性能の向上を目指す.また,前年度においては,VQEでの古典計算におけるオプティマイザに多点探索を行うEC手法として,SIの1つであるABCアルゴリズムを対象としたが,探索性能向上の観点から他のEC手法(古典コンピュータでのこれまでの最適化研究で広く用いられている例えば粒子群最適化(Particle Swarm Optimization: PSO)アルゴリズムなど)や他の組合せ最適化問題への適用可能性を,計算機実験を通して検証する.上記の成果に関しては,令和6年度(2024年度)内に国内学会で発表する.また令和5 - 6年度(2023 - 2024年度)の成果は,令和6年度(2024年度)内に国際会議で発表する.
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Causes of Carryover |
【次年度使用額が生じた理由】 令和5年度(2023年度)は,当該年度の研究成果を国内学会で発表する予定であったが,研究代表者および研究分担者での検討の結果,計画を変更し国際会議で発表を行うこととした.その国際会議はハイブリッド(オンサイト+オンライン)で開催される形式であり,我々はオンラインで発表したため,未使用額が生じた.また,本年度は計算機への実装と動作検証,および実験に多くの時間を充てたため,文献調査費に係る未使用額が生じた. 【使用計画】 生じた未使用額は,令和6年度(2024年度)における学会発表と文献調査等に係る経費に充てることとしたい.
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