2023 Fiscal Year Research-status Report
マルチ移動体の高精度制御のための平面ビジュアルエンコーダ
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23K11275
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
永井 伊作 松江工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (80294437)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | エリア画像 / 自己位置推定 / 移動ロボット / 誤差モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
自律移動体を支える基盤技術である自己位置推定において,従来手法が抱える問題,すなわち,屋外に限定される,周辺固定物を必要とする,他の移動体の存在による精度低下,センサのオクルージョン問題,多種多様な風景や外光条件による認識性能の低下といった様々な問題を解決するため,移動面全域の画像を事前取得したエリア画像を移動体間で共有し,得られる点群画像を全域画像の対応する範囲内で探索することで各移動体の高精度な絶対位置を得る手法を提案した. この手法において,エリア画像は高画素カメラを用いて作成されるが,移動体に搭載される下向きカメラの解像度に対してどれくらいの解像度が必要となるのか不明であるため実験により調べた.また,同手法が移動ロボットの高精度な走行制御に利用できることを実機実験により確認した.これらの結果を第41回日本ロボット学会学術講演会で発表した. また,事前の教示走行によって画像列を取得して誤差修正に用いる手法においては,移動面の画像を記録した位置から一定の領域を再生走行時の探索範囲としていたため,経路から外れた走行が多い場合に,元の経路に戻った際の誤差修正ができない問題があった.本年度の研究において,探索範囲を自己位置推定の誤差蓄積に応じて拡大することで,位置修正のない移動が続いた後の経路復帰性能の向上を図ることができた.これらの結果を第24回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
走行エリア全体の画像を高解像度で事前に取得したものを用いて絶対的な位置精度が保証された位置推定を行う手法を開発できた.計測レートは研究計画で示した値(カメラのフレームレート)を達成できたことと,また,位置・姿勢精度についても,研究計画で示した1 mm/0.5°に対して,本研究では平均0.5mm/0.25°を実現できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は研究計画で示した複数移動体の高精度位置速度制御をさらに進める.これは,前年度で開発した絶対位置推定システムを用いて複数の小型移動体および制御ソフトウェアの開発を行い,複数同時走行を教示走行なしで実現できることを目指すものである.これによりコンピュータ画面にロボットを描画し自由に移動させるような,移動ロボットの自由自在な制御を実現できると予想している.走行軌跡の記録および精度評価のため備品計上したロボット挙動計測システムを導入する予定としている.
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