2023 Fiscal Year Research-status Report
Contribution of ipRGC to the color perception measured by the opponent color responses
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23K11281
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
徳永 留美 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 准教授 (80573914)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 色知覚 / エレメンタリーカラーネーミング / ipRGC / メラノプシン / 反対色知覚 / 色の見えのモード / 明度知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
メラノプシン視物質を含む内因性光感受性網膜神経節細胞(ipRGC)が発見され、その明るさや色知覚についての研究がなされている。色知覚についてはipRGCの寄与が明確ではない。そこで本研究では、実空間において反対色応答を測定し、その応答からメラノプシンの色知覚への寄与について検討することを目的としている。反対色知覚を促すために、実空間に視覚刺激を呈示する暗室の実験装置を作成した。暗室は、刺激室と観察者室とに分離した。両部屋に照明光の分光分布を調整できる照明器具をそれぞれ設置し、観察者室の照明は観察者室全体の照明として、刺激室の照明はその見えを判定する視覚刺激として用いた。暗室の分離に使用した隔壁には2cmの正方形の穴を作成し、観察者は観察者室に滞在して、その刺激の見えを判定した。実験では、観察者が刺激の見えをエレメンタリーネーミングによって判定した。この手法により、色の見えが無彩色の白色と黒色、有彩色の赤色か緑色と、黄色か青色とに割合として分けられた。 今年度の実験ではまず、明度知覚である無彩色知覚判定に着目した。テスト刺激光の物理特性は一定とし、観察室の照明光の条件として、輝度値、三種類の錐体の刺激量が同値で、メラノプシン刺激量が異なる2条件を設定した。判定の結果、2条件間において白みの値が異なった。これは周辺の明るさが中央にあるテスト刺激の明るさ知覚に影響を及ぼすという明るさ対比現象である。本実験においては周辺の明るさである観察室の光の輝度は一定であり、メラノプシン刺激量を変化させたことから、メラノプシン刺激量の変化が明るさ対比現象に寄与していたことを示す。色知覚に関する結果についての分析は現在実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
装置が完成し、視覚刺激の色と照明光色の分光を変更する照明器具も設定できている。一つ目の実験も実施し、今後はメラノプシン刺激量を調整しながら反対色応答との関係についての検討を実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は周辺視野のメラノプシン刺激量の変化に伴う視覚刺激の色知覚について、2023年度に実施した実験結果を分析する。また、メラノプシン刺激量が異なることにより明るさ知覚が異なった結果を得たことについては、再度確認実験を実施する。またメラノプシン刺激量の異なる刺激に対する色知覚について実験準備を実施し、色知覚の寄与について検討していく。
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Causes of Carryover |
照明器具が予定の金額よりも高くなったため、購入予定であったパソコンを購入しておらず、また被験者への謝金額が予定よりも少なかった為、余剰金が生じた。2024年度においては被験者の謝金、パソコンの購入とに使用予定である。
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Research Products
(3 results)