2023 Fiscal Year Research-status Report
鍵盤楽器演奏の特徴量を用いた演奏支援システムの構築
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23K11373
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
三戸 勇気 日本大学, 芸術学部, 教授 (10451303)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 演奏動作 / モーションキャプチャ / 感情価 / 鍵盤楽器 / ピアノ / 電子ピアノ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、鍵盤楽器の演奏動作をもとに教育支援システムを開発することである。そのためにはまず、鍵盤楽器の演奏動作をモーションキャプチャシステムを用いて計測する必要がある。分析する鍵盤楽器は、グランドピアノと電子ピアノである。当然、グランドピアノと電子ピアノは、鍵盤のタッチレスポンスや音色が異なるため、演奏動作に違いが生まれる。 その違いも教育的には重要であると考えている。また、感情価によっても演奏動作に違いが生まれるはずである。研究に用いた感情は、Juslinの感情価を参考にした、喜び、悲しみ、怒り、恐れ、優しさ、無感情の6感情であった。楽曲の選定は、曲の中にストーリーがあり、抑揚を含めたテクニックが必要となるものとした。 本年度は、数名のプロピアニストと学生と指導者の鍵盤楽器に対する演奏時の動作の計測をモーションキャプチャを用いて行うことができた。また、その結果の一部を日本音響学会で発表することで成果の発信を行うことができた。 今後もこのようにデータを増やしていくことで、プロピアニストと学生と指導者の違い、そして感情価での演奏表現の違い、また、グランドピアノと電子ピアノという鍵盤楽器であってもその仕様の違いによる演奏動作への影響などをより詳細に分析できると思われる。そして、そのデータから教育支援システムを作成することでより実地に近いシステムが作成できると考えている。 これらの結果を利用することで、研究支援システムが演奏の教育の場で活用することが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まで数名のプロピアニストと学生と指導者の鍵盤楽器に対する演奏時の動作の計測をモーションキャプチャを用いて行うことができた。そのデータを分析した結果を日本音響学会で発表するなど、すでに結果が見えてきたものもある。そのため、当初の予定通り進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、過年度に加えて、プロピアニストと学生と指導者の計測人数を増やすことにより、モーションデータをさらに集めていく。また、心理評価についても被験者を増やしていく予定である。その聴取者の印象評価と演奏者の演奏意図との関連について分析を行う。それらの結果から、動作と音色、演奏の印象評価による相互関係が検討でき、動作と心理感覚量の定量化を行っていく。また、教育用可視化システムの構築も進めていく。演奏動作解析、音色分析、演奏印象評価による相互関係を検討することにより、演奏動作と心理感覚量の定量化が行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
本来であれば、学会発表などを行う際、地方に出張を行う予定であったが、今回発表した学会の開催地が関東近県であったため、当初予定していた金額にずれが生じたと考えている。ただし、今後は日本国内が問わず遠方での発表が想定されるため、次年度以降に余剰分の予算を使用する予定である。
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